高田里惠子『女子・結婚・男選び』

日曜日。晴。
カルコス。
高田里惠子『女子・結婚・男選び』読了。高田里惠子氏の新書で、この題を見ては、買わずにはいられないではないですか。一読、大傑作! 女性はこういう風に結婚相手を選ぶのかと知ると、うすうす気づいていたとは云え、ほとんど戦慄させられた(ナイーヴですね)。恋愛(あるいは結婚)小説を読むより濃かったです。未婚の中年男性としては、自分のことを考えざるを得なかったですね。自分には、ますます結婚の可能性がないとわかりましたが。
 しかし、柄谷行人の奥さんが小説を書いていて、で既に亡くなられているとは、本書での取り扱いも含めて、ショックでした。それにしても、男性にせよ女性にせよ、結婚というものの周りにどれほど面倒な情念が渦巻いているかを思うと、いまの自分の生活の簡素さは、やはり手放しにくいように思ってしまう。ホント、性欲っていうものがないのならば、すべては簡潔ですよ。そうすると人生の大きな喜びもなくなってしまうが、それに付き合いたくない人間は、特に若い人たちの間で、増えているのではなかろうか。どういうものでしょうねえ。「草食系男子」っていうのも、よくわかる気がする。

女子・結婚・男選び―あるいは“選ばれ男子” (ちくま新書)

女子・結婚・男選び―あるいは“選ばれ男子” (ちくま新書)


あるブログを読んで。そうか、自分も「幕開け」*1だと思っていた… 己の無教養を恥じる。どれだけ林達夫を読んだかわからないのに。
 林達夫ついでに云うと、「政治不信」とは笑止なのか。信頼すべき政治などなく、政治なんてものはすべて同じなのか。自分は林の文章のどこを読んでいたのかなあ。まともな政治があると思っているとは(ちなみに自分は、「数」の政治や金権政治がまともな政治であることは、ありうると思っている)、ナイーヴなことなのであろうな。残念であるが、仕方がない。

*1:そういえば、ハイデガーの翻訳で、「開け」という訳語がずっと気になっていたのだった… そんな日本語あるかね、と。バタイユの「空の青み」っていうのも気になるな。