バルベー・ドールヴィイ『デ・トゥーシュの騎士』

晴。溽い。
バルベー・ドールヴィイ『デ・トゥーシュの騎士』読了。訳あって今ひとつ気分が乗らないまま読んだので、バルベーを充分楽しめずもったいなかったが、でもこれ、やはり面白いね。舞台は、フランス革命時の王党派の抵抗活動に採ってある。中条省平の翻訳もいいし、波瀾万丈のロマンで、史実の下敷きがあるとは思えないくらいだ。最後、秘めた謎が明らかになるところは、たいていの人はちょっと唸らされるのではないか。道具立てのきらびやかさといい、格好いい絵の描ける人にマンガ化してもらったら、ぴったりなような気がする。

デ・トゥーシュの騎士 (ちくま文庫)

デ・トゥーシュの騎士 (ちくま文庫)