雨。
ジル・ドゥルーズ『ベルクソンの哲学』再読了。以前に読んだときと比べれば、わかるわかる。ドゥルーズがこれほど面白いとは。とても興奮して読んだ。問題含みで刺激的なのは、第四章の「持続は一か多か」だ。ここではベルクソンと(特殊)相対性理論の対決が問題となっているが、潜在的な時間の多様性といい、時間の空間化の否定といい、ここで論じられているのは、明らかに相対性理論より量子力学に親和的ではないか。これはとてもむずかしい問題だが、追求に値すると強く思う。
本書での理系的なトピックは、皮相なものではない。創造的進化のシェーマは、おおよそ納得のいくものではないか。それから、第五章でベルクソンにおける神秘主義の(密かな?)重要視が語られるが、ドゥルーズにしては意外なこととも思われるかも知れないけれど、やはりベルクソンもドゥルーズも、物のよくわかった人なのだなと納得させられる。
- 作者: ジル・ドゥルーズ,宇波彰
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1974/01/01
- メディア: 単行本
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