晴。
アッタール『鳥の言葉』読了。アッタールは中世のペルシア語詩人で、ペルシア神秘主義詩人の代表者の一人である。有名なルーミーは、彼に多くを負っているとされる。本書はその代表作の一つであり、神秘主義の境地の展開を詩として表現したものだ。表現は比喩をもってなされるために、予想されることであるが、象徴を読み解くとすれば難解であり、読解は読み手の力量が試されることになろう。もちろん自分などには十全に読み解けるはずもないのだが、難解な象徴がわからなくとも、(翻訳ながら)詩としてでも充分に堪能できる。鳥が語るという体裁上、仏教とイスラム神秘主義の大きなちがいはあるが、中沢新一の訳した『鳥の仏教』が何となく思い出されないでもない。本書が「自我消滅(ファナー)」への道を示す以上、仏教と何の(内容的)関係がないとは云えないだろう。
なお、本書はアッタールの詩作品の本邦初訳だそうである。訳文は、日本語として立派なものだと思う。
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- 作者: 中沢新一
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- 作者: カール・ケレーニイ,カール・グスタフ・ユング,杉浦忠雄
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