晴。
佐藤優『帝国の時代をどう生きるか』読了。相変らず骨太の文体で、日本のあるべき姿、日本の現状の分析を行なっている。確かに勉強になる。ただ気になるのは、著者がポストモダンとバブルの日本を実体験していないことだ。突飛な例を挙げると、いま、「草食系」男子という言い方がある。これからの日本人の(集合的)無意識において、この男子の「草食性」が大きな役割を占めると、自分は勝手に思っているのだが、こういうものは、著者の文体では充分に捉えられないのではないか。著者の知性にとっては、そんなことはあまりにも下らなさすぎるのである。しかし、我々はもはや堕落してしまったのだから、その中から精神を復活させる仕事が重要になってくるだろう。それが殆ど不可能事であっても。
ちなみに著者は、浅田彰の『構造と力』を革命の書と呼んでいる。まじめな著者らしい表現ではある。
帝国の時代をどう生きるか 知識を教養へ、教養を叡智へ (oneテーマ21)
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