佐藤優『帝国の時代をどう生きるか』/志賀浩二『解析入門30講』/西野友年『今度こそわかる 場の理論』

晴。
佐藤優『帝国の時代をどう生きるか』読了。相変らず骨太の文体で、日本のあるべき姿、日本の現状の分析を行なっている。確かに勉強になる。ただ気になるのは、著者がポストモダンとバブルの日本を実体験していないことだ。突飛な例を挙げると、いま、「草食系」男子という言い方がある。これからの日本人の(集合的)無意識において、この男子の「草食性」が大きな役割を占めると、自分は勝手に思っているのだが、こういうものは、著者の文体では充分に捉えられないのではないか。著者の知性にとっては、そんなことはあまりにも下らなさすぎるのである。しかし、我々はもはや堕落してしまったのだから、その中から精神を復活させる仕事が重要になってくるだろう。それが殆ど不可能事であっても。
 ちなみに著者は、浅田彰の『構造と力』を革命の書と呼んでいる。まじめな著者らしい表現ではある。

図書館から借りた、志賀浩二『解析入門30講』にざっと目を通す。各務原市の図書館にはなくて、岐阜県立図書館から取り寄せてもらった本。これで、読んだ「数学30講」シリーズは四冊目だが、これもいい本ですねえ。なんだかじっくり読みたくなってきたなあ。シリーズを一揃え買うか。いやいや、図書館にあるのだから、そんなに安易に買ってはいけないか…
解析入門30講 (数学30講シリーズ)

解析入門30講 (数学30講シリーズ)

西野友年『今度こそわかる 場の理論』にざっと目を通す。場の量子論の入門書中の入門書として、とても丁寧に書かれている。これなら、たいていの学部生に読めるだろう。自分も、気になるところを集中して読み返してみるつもり。しかし、時々混入してくる寒い駄洒落、ちっとも笑えないのですけど…
今度こそわかる場の理論 (今度こそわかるシリーズ)

今度こそわかる場の理論 (今度こそわかるシリーズ)