バシュラール『科学的精神の形成』

晴。
ガストン・バシュラール科学的精神の形成』読了。主に十八世紀の「科学書」から、疑似科学というか、ほとんど「トンデモ」科学の部類の記述をたくさん集めて、疑似科学とは、引いては科学的とは何かということを探った書物である。バシュラールはいろいろ面倒なことを云って分析しているのだが、そもそも自分には、この「疑似科学」の記述を読んでいて、それらが決して嫌いになれなかった。何とはなく魅力があるのだ。実害があるのでは困るが、概してそのような感じではなく、これも人間の想像力の一形態かと思う。悪用された「正しい」科学の方が、よほど困りものではないだろうか。
 なお、翻訳が悪いのでなければ、ほとんど自分には意味のとれないような文章が少なくない。とりわけバシュラールの意見らしき部分で。まあ、自分の頭が悪いのだろうが。