タブッキ『供述によるとペレイラは…』/埴谷雄高『死霊1』

晴。花冷えという言葉があるけれど、それにしても寒すぎる。
旅行の写真の整理をする。250枚以上撮ってしまったな。
アントニオ・タブッキ『供述によるとペレイラは…』読了。須賀敦子訳。スペイン内戦時のポルトガルリスボンで、主人公である新聞編集者のペレイラが、少しずつ、しかも彼の(表面的な)意図に反して、政治に巻き込まれていく物語とでもいおうか。ペレイラは、妻を亡くした中年のデブで、その小さい新聞ではさえない文芸担当なのだが、何となく知り合った、モンテイロ・ロッシなる若者が、スペインの人民戦線に肩入れしているわけだ。タブッキの小説で政治を扱ったものはめずらしいらしく、一九九四年に出版された本書は、イタリアでベストセラーになったという。自分にはちょっとその面白さがよくわからなかったのだが、本邦訳は須賀敦子の手になるものだから、安心して読めはする。

供述によるとペレイラは… (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

供述によるとペレイラは… (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

埴谷雄高『死霊1』読了。九年間積ん読にしておいたのを、まとめて読んでみるつもり。
死霊(1) (講談社文芸文庫)

死霊(1) (講談社文芸文庫)


極東ブログ「最近の猫の跳躍傾向について」(参照