草場公邦『ガロワと方程式』/渡辺京二『私の世界文学案内』

晴。
プール。アピタとその本屋。
図書館から借りてきた、草場公邦『ガロワと方程式』にざっと目を通す。まあ、目を通したというだけ。久しぶりに数学の感覚に慣れただけ、よしとしよう。わかりやすい本だと思う。

ガロワと方程式 (すうがくぶっくす)

ガロワと方程式 (すうがくぶっくす)

渡辺京二『私の世界文学案内』読了。ちょっと風邪気味かなあ、PL顆粒でも飲んで寝よう、と布団に入って寝るまで本書を読もうと頁をめくったら…一気に読み終えてしまいましたよ。風邪は大丈夫かと思いながら、こんな時間(AM2:33)に感想など書いています。
 さて、本書は著者が、自分の娘に対して世界文学を語るという体裁になっているが、前半と後半で明らかにちがう。前半は十九世紀までの大文学が中心なのに対し、後半は第二次世界大戦後の作家に限られている。個人的なことを書くけれども、前半の作品はおおよそ読んでいたのだが、後半は、呆れたことに一冊も読了していないのである。内容も、後半はあまり面白くない。結局、時代のために作家が小粒になってしまったのが明らかだ。だから、惹かれたのは前半なのだが、これがまた自分とは読み方がまったくちがう。もちろん著者の読み方が正統的なのだが、自分の読みの稚拙さは何だろうと思わないではいられなかった。才能のちがいは当然として、十代に世界文学をむさぼり読んだ者と、十代をマンガとSFで過ごした者のちがいはあるな、ということは感じた。別に自分を卑下するつもりはないが、こういうことは逃れられないのだなと、痛感する。我々の貧しさは、本当に底が深い。
 それでも、世界文学を通じ、この大知識人と対話する気分で本書が読めるわけだから、やはり文学はいいと云いたい。こういうことが、豊かさにつながっていくのだとつくづく思う。(AM2:53)

私の世界文学案内―物語の隠れた小径へ (ちくま学芸文庫)

私の世界文学案内―物語の隠れた小径へ (ちくま学芸文庫)