ジョージ・ジョンソン『量子コンピュータとは何か』/西野哲朗『量子コンピュータと量子暗号』

晴。

ジョージ・ジョンソン『量子コンピュータとは何か』読了。量子コンピュータについての啓蒙書で、ノイマン型コンピュータの作動原理の初歩から、丁寧に解説してある。要は「制御NOTゲート」を、量子を使って作ることができればいいのだ。それは実際に可能であるらしい（そこらあたりの話は、自分にはちょっとむずかしかった）。それにしても、因数分解くらいならともかく、「NP完全」問題までコンピュータで解けたなら、世界が変ってしまうのではなかろうか。怖ろしい気がしないでもない。
　なお、原著は2003年の出版であり、少し前の話なのだが、それからこの分野で、技術的な進歩はともかく、本質的な発展はなかったようだ。

量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

西野哲朗『量子コンピュータと量子暗号』にざっと目を通す。こちらは一応専門書だが、書いてある内容は上の本と大差ない。数式も適当に書いてあるだけで、初学者への配慮は見られない。これでは初学者は、絶対にわからないと思う。

岩波講座 物理の世界 物理と情報〈4〉量子コンピュータと量子暗号