佐々木中『砕かれた大地に、ひとつの場処を』/中根千枝『適応の条件』

晴。
うどん・蕎麦「恵那」にて昼食。恵那ころ蕎麦。

手打ちうどん 恵那

食べログ 手打ちうどん 恵那

佐々木中『砕かれた大地に、ひとつの場処を アナレクタ3』読了。ようやくこの人の稀有さがわかってきた。今まではわかっていなかったのだな。大切なのに、現在ではやる人のとても少ないことを、やっているし、やろうとしている。著者に比べれば、自分などは遥かに時代に添い寝していると痛感せざるを得ない。なかなかここまで、「反時代的」に振る舞えるものではない。だからと云って、勿論、著者が現代について見通していないというわけではない。むしろ逆である。こういうのを読むと、元気が出ますね。中根千枝『適応の条件』読了。四十年近く前の本であり、海外における日本人の適応力の弱さが、延々と書き綴られている。例えば、「私たち日本人の国際化の前には、何という大きな障害が立ちはだかっていることだろうと、われながら気持が重くなってしまう」(p.167)などという文章があるくらいだから、後は察せられるだろう。しかし、今のような経済のグローバル化が、日本人(だけではないが)のメンタリティを変えてきているのは間違いない。著者は、日本人の「義理人情」は外国では通用しないと述べているが、今日では、その「義理人情」の方がどこかへ消え去ってしまっている。少しずつ、世界がフラットになりつつある。それは著者の望んだことだったのだろうか?
適応の条件 (講談社現代新書)

適応の条件 (講談社現代新書)