中沢新一、波多野一郎『イカの哲学』

晴。
中沢新一、波多野一郎『イカの哲学』再読。ふと読み返したのだが、予想外なことに、深いところから感動した。もっとも、概念の操作だけに巧みな者には、本書は単純で、馬鹿にするような書物だろう。「世界平和のための鍵はお互いに相手(※引用者注 動物も含む)の実存をよく認め合う事である」? ナイーブだね、バカバカしい、といったような。いまや、複雑な概念の操作があるだけで、底の浅い書物ばかり氾濫している。結局個人のことは閑却し、システムのことばかり考えている者が、いかに多いことか。本当は、個人のこともシステムのことも、双方考えねばならぬのだ。

イカの哲学 (集英社新書 0430)

イカの哲学 (集英社新書 0430)


エレーナ・クシュネローバ(HP)の弾く、バッハのトッカータBWV914。この曲、フーガが格好いいのだよね。