上野千鶴子『不惑のフェミニズム』/岩田温『逆説の政治哲学』

曇。涼しい。
上野千鶴子不惑フェミニズム』読了。短いもの中心の、文庫オリジナル。面白かった。結局、女性たちは、女性として「我慢したくないことは我慢しない」という風に変ったのだと思う。(それがフェミニズムと、どちらが鶏で卵なのかは知らないが。)そのことは良くわかる。というのも、今では男性だって、「我慢したくないことは我慢しない」のだから。女性のほうがじつは進んでいた、ということになる。

不惑のフェミニズム (岩波現代文庫)

不惑のフェミニズム (岩波現代文庫)

岩田温『逆説の政治哲学』読了。副題「正義が人を殺すとき」。著者はまだ若いが、本書は骨太の政治哲学書になっている。しっかり自分の頭で考えたことしか、書いていないとも云えよう。著者の立場ははっきりと保守であり、何となく左っぽい自分ではあるが、そのようなことは些細な違いである。具体性に満ち満ちており、色々と教えられた。いちいちコメントのついた読書案内も参考になる。
逆説の政治哲学 (ベスト新書)

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