グールドのレニングラード・ライブ

曇のち晴。
大垣。BOOK OFF大垣バイパス店。
大きいムカデが出る。蒸し暑いからなあ。

グールドのライブ録音つづき。1957年レニングラード・リサイタルのベートーヴェン、ピアノ協奏曲第二番。普通の演奏ではないか! 極め細かいニュアンスがじつにナチュラルで、知らずに聴いたら誰もグールドだとは思うまい。リパッティとすら思うかも。ふくらみのある音で、まったく美しいピアノ。オケが乱暴なのが残念で仕方がない。オケがよければ、名演と称せたろうに。
 ベートーヴェンの第二番はかなり好きな曲なのだが、比較のために、併録されているバッハの協奏曲第一番の第一楽章を聴き始めたら、深く捕らえられてしまった。バッハの中でも、屈指の名曲だとあらためて思う。やはりグールドのバッハだ。ライブでこれを聴いた聴衆は、棍棒で頭を殴られたような衝撃だったのではないか。

ライヴ・イン・レニングラード1957

ライヴ・イン・レニングラード1957

バッハの第一楽章は、スタジオ録音盤と比較してみる。まず、オケが違うのは明らか。何と言ってもバーンスタインの指揮なので。実際、バーンスタインってこんなよかったっけ、というくらい。録音もモノラルながらスタジオ録音ということで、グールドのピアノも色彩感を覚える。しかし、ライブ盤のモノクロームもはっきり云って悪くない。まあ、全体として両者にそれほど違いがないのは、録音した日付がひと月ほどしか隔たっていない(ライブの方が後)からでもあろう。ライブ録音の方が、統一感があると云えるかもしれない。オケが目立たないので、却ってピアノがよく聞こえるというのは、逆説的かも。
バッハ:P協奏曲第1&2&3&4&5&7番

バッハ:P協奏曲第1&2&3&4&5&7番