モース研究会『マルセル・モースの世界』/津村節子「紅梅」

曇。
プール。ラーメン「やまと」にて昼食。味噌チャーシュー麺+小ライス。アピタの本屋に寄るが、ちくま文庫の新刊が入っていない。三洋堂書店にも寄るがなし。まったくどうなっているのだ?
モース研究会『マルセル・モースの世界』読了。まず冒頭の、岡本太郎とモースの関係についての論文(渡辺公三)が面白い。岡本はモースの弟子であり、師の教えを日本に持ち帰って、多大な発見を行っているのだ。今、ちくま学芸文庫で刊行されている、岡本太郎のアンソロジーをたまたま読んでいるので、さらに興をそそられた。また、他の論文では、戦闘的な「左翼」としてのマルセル・モースに光を当てたものが幾つかあり、これも刺激的だ。「左翼」と「贈与」とは、何とも面白そうな話ではないか。

マルセル・モースの世界 (平凡社新書)

マルセル・モースの世界 (平凡社新書)

文學界」5月号の、津村節子「紅梅」を読む。母が図書館から借りてきたものを、また借りて読んだ。小説という形は取っているが、作家で夫の、吉村昭の死を書いたものに他ならない。津村節子については自分は何も知らないし、初めて読むのだが、吉村昭が立派な作家だということはよく知っている。津村も小説家として、どうしても書いておきたかったのであろう。惻惻とした感情が迫ってきて、他に感想を書こうという気が起こらない。しかし小説家というのは、業の深い商売だと思わざるを得ない。
文学界 2011年 05月号 [雑誌]

文学界 2011年 05月号 [雑誌]