休日。晴。
十一時間くらい寝て、我ながら呆れた。なんとももう最近、怠惰。
堀江敏幸『未見坂』読了。いつもながら、上手すぎるくらい上手い。自分はいま田舎(郊外)住まいなのだが、田舎って本来こういうものなのかなと思う。もっと退屈で、もっとさびれ、もっと遣り切れないような気がする。もちろん、そういうところもちゃんと描いてありはするが。
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つくづく思う。碌に考える力もないくせに、何についてでも意見を言ってみるという人が多数になると、本当に怖ろしいと。それは自分の意見ではない、他の誰かの意見なのだということが、わからない。それは仕方のないことなのである、自分のまったくオリジナルな意見などないのだが、そのことをよくわかった上で、「自分の」意見というものを、考えねばならないのだ。考える力をつけるというのは洵に至難だということを、この状況に際し、肝に命じておくべきだと思う。開高健の言だったか、どうして荘重に論じ、幼稚に糾弾ばかりしているのか。いまやそれは「知識人」だけでなく、大衆がそうである。