朝五時半起き。名古屋からのぞみで博多へ。三時間半の車中の間に、持参した二冊の文庫本のうち、米原万里の『ガセネッタ&シモネッタ』をはや読み切ってしまう。これは途中で本を調達せねばならないか。
博多着。一泊二日でレンタカーを借りる。九州人は運転が乱暴で、ひやひやし通し。国道二〇二号で今津の元寇防塁跡へ。鎌倉時代に元の上陸を防ぐために、海岸沿いに築かれたもので、一部が発掘されている。高さ二メートルくらいの石垣で、実際にかなり役に立ったらしい。ついでに海もきれい。
南へ。伊都国歴史博物館は、ある民間の篤実な歴史家の尽力によるもので、沢山の国宝があるが、内行花文八葉鏡が特にすばらしい。両親が歴史家の著書を読んでいて、ガイドの人にいろいろ質問するので、ガイドが喜んで饒舌に詳しく語ってくれる。自分は古代史はあまり知らないのだが、「伊都国」だけは中国の史書にいう「国」とはっきりわかっているなど、聴いているとなかなか面白い。平原古墳など、近くの遺跡にも寄る。
虹ノ松原へ。時間がなくて、車で通るだけになってしまった。唐津市内には寄れない。国道二〇三号から高速経由で、嬉野温泉へ。宿は萬象閣敷島。料理は上品な味の懐石で、満足できた。付いてくれた女の子も気持ちのいい子だった。途中で猪が出たことを言ったら、普通のことなんだって。大浴場の湯量が少なかったのは謎だったが。
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/06/01
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