曇。
プラトン『プロタゴラス』読了。中澤務訳。ソクラテスの対話の進め方は、生きた概念が正確に定義できないことを突いたもので、ソフィスト・プロタゴラスよりもこちらの方が詭弁くさいものなのだが、翻って考えてみるに、言葉というものはそもそもそういうもので、必ずしも正確に定義できないことは当然なのだともいえる。その意味で「対話篇」という形式は、哲学するということに合っているともいえるだろう。まあ本書の場合は、徳(アレテー)は教えられるというプロタゴラスの教えに、ソクラテスは胡散臭いものを感じていた、ということなのだろうが。
それから、岩波文庫に入っていないプラトンの作品が、もっとこの古典新訳文庫などに入るといいのだけれども。『ティマイオス』希望。
プロタゴラス―あるソフィストとの対話 (光文社古典新訳文庫)
- 作者: プラトン,中澤務
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/12/09
- メディア: 文庫
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仕事に行ったら、風邪が悪化した。