プラトン『プロタゴラス』

曇。

プラトンプロタゴラス』読了。中澤務訳。ソクラテスの対話の進め方は、生きた概念が正確に定義できないことを突いたもので、ソフィストプロタゴラスよりもこちらの方が詭弁くさいものなのだが、翻って考えてみるに、言葉というものはそもそもそういうもので、必ずしも正確に定義できないことは当然なのだともいえる。その意味で「対話篇」という形式は、哲学するということに合っているともいえるだろう。まあ本書の場合は、徳(アレテー)は教えられるというプロタゴラスの教えに、ソクラテスは胡散臭いものを感じていた、ということなのだろうが。
 それから、岩波文庫に入っていないプラトンの作品が、もっとこの古典新訳文庫などに入るといいのだけれども。『ティマイオス』希望。

プロタゴラス―あるソフィストとの対話 (光文社古典新訳文庫)

プロタゴラス―あるソフィストとの対話 (光文社古典新訳文庫)


仕事に行ったら、風邪が悪化した。