晴。
山内進『北の十字軍』読了。本格的な歴史書で、とても面白かった。十二世紀以降、スラブ地方へ向けて、キリスト教への侵略的改宗のために、いわゆる「北の十字軍」が行われていたということは、恥ずかしながら本書で初めて知った。これは中東への「防衛的な」十字軍とは、その性格を異にしていたのであって、武力による改宗を目指したものである。中心となったのはドイツ騎士修道会であり、これは名は「修道会」であるが実態は国家であって、それも侵略的改宗のために特化した国家であった。やっているのは胸が悪くなるような血腥いことで、「神」の名のもとに、非道な侵略行為が平然となされ続けたのである。定期的な殺戮・略奪行為が常習化し、「軍旅 reysa」と呼ばれたことなど、破廉恥としか言いようがない。キリスト教の血腥さがよく出ていて、うんざりさせられた。
- 作者: 山内進
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/01/13
- メディア: 文庫
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/12/04
- メディア: 文庫
- 購入: 15人 クリック: 43回
- この商品を含むブログ (89件) を見る