晴。夜雨。
玄侑宗久『慈悲をめぐる心象スケッチ』読了。宮澤賢治も玄侑さんも好きなので、いい読書になった。賢治本をさほどたくさん読んだわけではないが、ここまで仏教(とりわけ法華経)という視点から見た宮澤賢治というのは、あまり他に例がないのではないか。著者が仏教者というのが利いている。宮澤家自体が宗教的な雰囲気を濃くもっていたというのは、知らなかった。父親は浄土真宗に打ち込んでいたし、妹のとし子は、大学でキリスト教に触れる機会があった。賢治も法華経に対する強い信仰の他に、真宗や禅、キリスト教にもある程度シンパシーがあったようである。著者はそこから、「慈悲」という観点で賢治を読んでいる。賢治はあまりにも「慈悲的」(?)でありすぎたくらいのようだ。これでは早く命を磨り減らしてしまったのも無理はない、と思われる。そして、我々にたいへんな贈り物を残していったわけだった。
- 作者: 玄侑宗久
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ベートーヴェンの交響曲第四番を聴く。ヴァント指揮NDR放送交響楽団の古典的な演奏。(第一楽章など)ティンパニが特徴的で、木管楽器もバランスよく聞える。どういうわけか、ベートーヴェンの交響曲の中でも、この曲が好きだ。よく頭の中で鳴っている。
ベートーヴェン:交響曲全集II?第4番・第5番「運命」・第6番「田園」
- アーティスト: ヴァント(ギュンター),ベートーヴェン,北ドイツ放送交響楽団
- 出版社/メーカー: BMGインターナショナル
- 発売日: 2001/11/01
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