こともなし

柳ヶ瀬にて

晴。驟雨。
色々読んでも、どこへ向かっても閉じていくような気になる。今の時代に、根本的に外部はあるのかというような、大きな問題はさて措いて、一時的にも、自分にとってだけでも、外部が必要だという感がしてしようがない。もっと外部を!
 ポリーニのピアノで、ショパンのピアノ・ソナタ第三番の終楽章を聴く。圧倒的に完璧で、かつデモーニッシュ。結局自分には、良かれ悪しかれ、こういうものが摺り込まれているのだなと思う。今ではこういうものは、恐らく、時代の無意識の要請ではない。外部が必要だ、というのとも、齟齬しているのかも知れない。そう簡単に解ける矛盾ではないが、急いで結論をつけるつもりもない。そして願わくば、何とかして、ひとつの場所を得たいのだ。まだ、そのような場所は得られていない。