モーパッサン『口髭・宝石』/吉本隆明『父の像』

日曜日。曇のち雨。
カルコス。
モーパッサン『口髭・宝石』読了。今となっては訳文はいかにも古めかしいが、モーパッサンの魅力はわかる。意外に、モーパッサンの短編が手に入りにくいのだよなあ。

口髭・宝石―他五篇 (岩波文庫)

口髭・宝石―他五篇 (岩波文庫)

吉本隆明『父の像』読了。漱石、鴎外、芥川その他の近代文学の作家たちが、父親に対して如何なる関係にあったかを考察している。伝記的な資料も使ってはいるが、おもに作品の読み込み(これが圧倒的な力量だ)だけで、ここまでやっているのはさすがだ。また、併録された「父の像」なるエッセイは、著者自身とその父親との関係を自伝的に綴ったもので、優れた短編小説のごとく、実に読ませる。こうなると、著者が小説を書いていたらなどと、思わず空想されるほどだ。
父の像 (ちくま文庫)

父の像 (ちくま文庫)