堀米庸三『中世の光と影(下)』/井伏鱒二文集1

晴。さわやかな天気。
散髪。
堀米庸三『中世の光と影(下)』読了。著者の実見感覚は、書物だけによる知識の落し穴を教えてくれる。

中世の光と影 下 (講談社学術文庫 206)

中世の光と影 下 (講談社学術文庫 206)

井伏鱒二文集1』読了。文士たちのポルトレを集めたもの。惹句には「温雅な筆」で書かれてあるとあるが、淡々としているけれども、リアリズムで、恐しく辛辣な描写も少なくないと感じられた。こんな目で観察されてはたまらないと、思う人もいるのではないか。温かみというのは、文章の調子に騙される(?)のだと思う。しかし、何にせよ見事な腕である。そして、無意識にまで届きそうな深さには、驚かされる。
井伏鱒二文集〈1〉思い出の人々 (ちくま文庫)

井伏鱒二文集〈1〉思い出の人々 (ちくま文庫)