アシモフ『化学の歴史』/村上春樹『蛍・納屋を焼く・その他の短篇』

曇。
大垣。
アイザック・アシモフ『化学の歴史』読了。化学史とはめずらしいが、それは普通、物理学史の一部として取り扱われるからである。しかし、高名なSF作家でもある著者の手に成る本書を読むと、化学の歴史というのも充分存在価値があることがわかる。ただ、本書は、高名な作家が書いたにしては、文体にあまり個性が感じられず、さほど読みやすいとは云えない。翻訳のせいなのかどうかは分らない。

化学の歴史 (ちくま学芸文庫)

化学の歴史 (ちくま学芸文庫)

村上春樹『蛍・納屋を焼く・その他の短篇』読了。村上の初期短篇集である。何か、どこかで読んだような短篇が多い。(もしかすると再読だろうか。)「蛍」は、ここから膨らませて『ノルウェイの森』にしたのだろうな。作中の「僕」はこの頃から全部同一人物に思えて仕方がないし、読んでいて恥かしくなってくるようなフレーズも同じだが、それでも、作家の才能は明らかだ。
螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)