南陀楼綾繁『一箱古本市の歩きかた』/ハンス・ヨーナス『アウシュヴィッツ以後の神』/ブローデル『歴史入門』/西部邁『経済倫理学序説』

曇。昼から雨。
「恵那」にて昼食(父がうどん好きなのだ)。天麩羅味噌煮込み1200円。まあ、おいしかったが、家で作るやつも悪くないなという結論。
南陀楼綾繁一箱古本市の歩きかた』読了。名古屋でも「一箱古本市」をやっているなら、一遍見てみたいな。それから、本書で、「徒然舎」という岐阜の新しいネット古書店を知る。ホームページはこちら。また、ブログはこちら

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

ハンス・ヨーナス『アウシュヴィッツ以後の神』読了。特に第三章「物質、精神、創造」が洵に刺激的だった。物理学で説明できない、主観、内面というもの。精神と物質という二元論の価値。訳者の解題は丁寧であるが、著者の自然科学理解の正確さということについて、まったく触れていない。実際、哲学者でこれほどきちんとした物理学、生物学についての理解を持っている人は少ない。
アウシュヴィッツ以後の神 (叢書・ウニベルシタス)

アウシュヴィッツ以後の神 (叢書・ウニベルシタス)

フェルナン・ブローデル『歴史入門』読了。『地中海』『物質文明・経済・資本主義』の碩学による、歴史哲学。「ミクロの交易」と「マクロの交易」とでもいうべきものの区別が新鮮だ。前者は人と人との交易、後者はいわゆる遠隔地貿易で、商人がすべてを支配し、そこに大量の資本が蓄積される。
歴史入門 (中公文庫)

歴史入門 (中公文庫)

西部邁『経済倫理学序説』読了。ケインズ論とウェブレン論。元より自分に、本書を判断できる能力があるわけではないが、読み物風の自由さがあって、なかなか悪くないのではないか。特にウェブレン論が面白く、ウェブレンがかようにエキセントリックな性格で、それが彼の学問を破天荒なものにしている(原因と結果が逆かもしれないが)というのは、知らなかった。一度『有閑階級の理論』を読もうとしたことがあるのだけれども、読んで馬鹿馬鹿しくなって途中で止めてしまったのだが、いま読んだらまた違う感想を抱くかもしれない。
経済倫理学序説 (中公文庫)

経済倫理学序説 (中公文庫)