微雨。
『アベラールとエロイーズ 愛の往復書簡』読了。中世フランスの、有名な恋愛書簡集である。アベラール(アベラルドゥス)は中世の知識人としても有名であるが、少女エロイーズと情を通じ、少女の親類の復讐に遭って宮せられた。その後、かなりの年月を経ての往復書簡であるが、修道女となったエロイーズの火は消えず、赤裸々な欲望の訴えには驚かされる。アベラールは少々辟易としたかもしれない。さて、同じ岩波文庫の畠中尚志訳もよく読まれたというが、新訳で読みやすくなった。アベラールの書簡を男性が、エロイーズのを女性が訳すというのも、いい試みだと思う。
- 作者: 沓掛良彦,横山安由美
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/09/16
- メディア: 文庫
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