アベラールとエロイーズ

微雨。
『アベラールとエロイーズ 愛の往復書簡』読了。中世フランスの、有名な恋愛書簡集である。アベラール(アベラルドゥス)は中世の知識人としても有名であるが、少女エロイーズと情を通じ、少女の親類の復讐に遭って宮せられた。その後、かなりの年月を経ての往復書簡であるが、修道女となったエロイーズの火は消えず、赤裸々な欲望の訴えには驚かされる。アベラールは少々辟易としたかもしれない。さて、同じ岩波文庫の畠中尚志訳もよく読まれたというが、新訳で読みやすくなった。アベラールの書簡を男性が、エロイーズのを女性が訳すというのも、いい試みだと思う。

アベラールとエロイーズ 愛の往復書簡 (岩波文庫)

アベラールとエロイーズ 愛の往復書簡 (岩波文庫)