谷川俊太郎『ぺ』/保坂和志

雨のち曇。
谷川俊太郎『ぺ』(isbn:406131792X)読了。著者のイメージはというと、何となく毒がなさそうに思われている気がするが、実はなかなかそんなことはない。このショートショート集でも、死やエロスや、人類の滅亡といった「重い」主題が、多く扱われているのを見てもわかる。優れた詩人が、(例えば核の傘の下の世界と云った)同時代的な感性を、欠くはずがない。ただそれが、短く軽やかになされているところは、確かに著者流だとはいえようか。
保坂和志『<私>という演算』(isbn:4122043336)読了。「チラシの裏にでも書いていろ」という表現があるが、それを思い出した。