世阿弥/山岸哲/ブーレーズ指揮のバルトーク

晴。
世阿弥『能作書・覚習条条・至花道書』(isbn:4003300130)読了。
山岸哲マダガスカル自然紀行』(isbn:4121010108)読了。マダガスカルは島ではあるが、とても大きく、面積は日本の約一・五倍ほどもあり、独特の生態系で知られる。著者は鳥の研究者なので、鳥に限っていうと、特産の科が五つもあるという。クイナモドキ科、マミヤイロチョウ科、オオブッポウソウ科、ジブッポウソウ科、オオハシモズ科の五つであるが、それが如何に異例なことであるかは、例えば日本には、特産の科というものが一つもないことからも分かろう。また面白いのは原住民の由来で、言語的にインドネシア系だといい、西暦五〇〇年頃にインド洋を渡ってきたとも推測されている。研究の話もなかなか楽しいが(一々縷説しないけれども)、ここでもまた、自然破壊の事例が見られる。原住民が木を必要とし、また野焼きなどのため、大地が剥げて侵食 erosion を起こし、土壌がラテライト化しているらしい。発展途上国の自然保護というものは、なかなか大変なことのようだ。


ブーレーズの指揮するバルトークを聴く。バルトークの土臭さが脱臭された演奏、とも云えようか。ヴィオラ協奏曲は初めて聴いたが、この演奏だと、まるでラヴェルのように聞こえる。ヴァイオリン協奏曲第一番は、クレーメルのヴァイオリンと管弦楽が、水と油のように遊離している。二台のピアノ、打楽器と管弦楽のための協奏曲は、もう少しピアノが攻撃的な方が、バルトークらしいのではないか。

バルトーク:協奏曲集

バルトーク:協奏曲集