山内昌之

晴。
古書肆岡本書店に立寄る。中村真一郎訳のネルヴァル(isbn:4042456014)300円が収獲。
山内昌之『民族と国家』(isbn:4004302609)読了。副題「イスラム史の視角から」。もともとイスラム圏は、アラブというよりもイスラムの方にアイデンティティがあったという。驚いたことに、アラビア語には(地理的な)「アラビア」を表わす語がないらしい。言語や民族以上に、宗教への帰属感が強かったのだ。アラブ人が長年、自分たちから見れば異民族である、オスマン・トルコ帝国の統治を違和感なく受け入れたのは、トルコの宗教がイスラム教だったためである。