加藤周一

晴。
仕事で嬉しいことあり。


加藤周一『高原好日』(isbn:9784480425317)読了。副題「20世紀の思い出から」。乾いた文章。開高健に云わせると、(貶下的な意味で)新聞の文体だという。「…戦後小津安二郎の『晩春』には、父(笠智衆)と娘(原節子)が京都の宿で床をならべて寝ている場面がある。そこで日本の観客は、私自身を含めて誰も近親相姦を考えもしなかったろう。しかし映画を見た米国の学生の多くは、そこに性的暗示を読み取ったのである。そのちがいはどこから来るのだろうか。背景には広範な比較文化的問題がある。」