竹田青嗣

曇。
プール。アピタとその書店。
竹田青嗣『人間の未来』(isbn:9784480064714)読了。著者は、理論の大風呂敷を広げるのはよいが、しばしば足元がおろそかになっているように見えるところがある。例えば宗教を語って、
「『宗教のテーブル』(宗教集団)では、『真理』を“認識している”人間、あるいはそれを隠した言葉が確かに存在するという『信』が人々に分かちもたれる。そのことによって、真理が存在し、それはある言葉(や行為)で表現されうる、という前提をルールとして、みながそれを探し合うゲーム、いわば『真理を探し合うゲーム』がここでは成立する。またこのゲーム自体が、それに参加する人々にとって生の重要な理由になる、ということが起こる。そういうことのうちに宗教の営みの重要な本質の一つがある。」(p.20-1)
などと述べているが、このようなどうしようもなく浅はかな宗教観しか持っていない者に、いったい何がまともに論じられるであろうか。