2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ブレヒト『ガリレオの生涯』/三木成夫『内臓とこころ』

日曜日。雨のち晴。今日から一週間の休暇。 イオンの写真屋。カルコス。 ブレヒト『ガリレオの生涯』読了。天動説を批判し地動説を唱えることにより、科学という潮流の先導者となるガリレイだが、最終的には宗教に屈服し、地動説を撤回してみせる。最終的に…

『リヒテンベルク先生の控え帖』/鈴木健『なめらかな社会とその敵』

晴。 図書館。新境川堤の桜が八分咲きだった。桜祭りは来週だが、もう人が多かった。駐車場がすぐに埋まっていく。屋台も出ている。いい天気だから、今日明日は大勢の人出で賑わうだろう。 桜の下を歩いているとき、前に若い家族連れがいた。何かでパパが「…

志賀浩二『固有値問題30講』/日本の弦楽四重奏曲(ロータスSQ)

曇。 図書館から借りてきた、志賀浩二『固有値問題30講』にざっと目を通す。いやもう、自分には相当にむずかしい内容だが、また洵に興奮もさせられる。前半は行列の固有値問題、後半は実質的にヒルベルト空間論なのであるが、数学史においてこれらが深く結び…

アンナ・カヴァン『アサイラム・ピース』

朝から雨がしょぼつく。 大垣。早めの出勤。 図書館から借りてきた、アンナ・カヴァン『アサイラム・ピース』読了。山田和子訳。短篇集。うーん、正直言って、ちょっと退屈だった。感覚が摩滅しているのかな。でも、退屈だから不可という訳でもないのだけれ…

斎藤環『世界が土曜の夜の夢なら』

曇のち雨。 いつもより三時間早めの出勤。空き時間が長いので、You Tube で音楽を聴いている。検索してみると、こちらが知らないリヒテルの録音がたくさんあるのには驚かされる。まったく、何が隠されているかわからない。下は、スクリャービンのソナタ第二…

藤田覚『幕末の天皇』

晴。 藤田覚『幕末の天皇』読了。幕末の光格天皇、孝明天皇に焦点を当てて書かれた歴史書。とりわけ光格天皇(1771-1840)に詳しい。光格天皇の在位は一七七九年に始まり、江戸時代の天皇にはめずらしくも院政を布いて、六〇年以上も権力の座にあった。光格…

ランドル・コリンズ『脱常識の社会学 第二版』

曇。 県営プール。帰りに喫茶店「Jack and Betty」に寄る。ギャラリー付だと云うので見てみる。素人の絵と写真で、特に云うべきことはない。シフォンケーキ・セットを頼んでみたが、シフォンケーキも素人臭く、洗練もないし、第一さほど美味しくなかった。ま…

安岡章太郎『花祭』/島田雅彦『食いものの恨み』

日曜日。晴。 図書館。 安岡章太郎『花祭』読了。少年の性の目覚めを描いた小説で、いかにも日本の近代文学らしく貧乏臭いものであり、まあ何ということもなかった。この小説は作者が四十歳を越えてからのものであるが、今のすれっからしの感覚からすると、…

C・サイクス『ファインマンさんは超天才』

晴。 C・サイクス『ファインマンさんは超天才』読了。大貫昌子訳。ファインマン本人と、彼の周囲の人たちに聞いた、インタビュー集である。ファインマン本はどれも面白いが、本書も巻を措く能わざる面白さだった。家族や知人たちの話のせいで、ファインマン…

『上宮聖徳法王帝説』/「役立たずな知識の有益性」

晴。 『上宮聖徳法王帝説』(改版)読了。いわゆる聖徳太子の古伝で、非常に簡潔なものである。「聖徳太子」というのは後世において伝説化された後の呼称であるため、「厩戸皇子」と云うべきかもしれない。『古事記』や『日本書紀』以前の成立とされ、 神秘…

教師の質を高めよ? ふざけるな

何かの世論調査で、国民が望む教育の課題として、教師の質を高くすること、というのがあった。 どういうつもりにせよ、馬鹿馬鹿しい話だと思う。「教師の質」というので何を指しているのか知らないが、常識的に云って、昔と比べれば教師の質は基本的に高くな…

ヴィトゲンシュタイン『反哲学的断章』/カール・シュミット『政治思想論集』/古市憲寿『僕たちの前途』

晴。花粉症がひどくて、目が痒い。 図書館から借りてきた、ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン『反哲学的断章』読了。丘沢静也訳。ウィトゲンシュタインは、むずかしいところで楽に息をしていて、やさしいところを攻めるのに難渋しているように見える。じつ…

シュタイナー『人間理解からの教育』/福田和也『二十世紀論』

休日。曇のち雨。 カルコス。古典新訳文庫の丘沢静也訳『ツァラトゥストラ』を立ち読みしてみたら、手塚富雄訳とはあまりにも雰囲気がちがうので、驚いてしまった。手塚訳はいわゆる「格調の高い」翻訳であり、丘沢訳は何と言ったらいいか、やんちゃな訳(?…

こともなし

晴。 仕事でショッキングなことあり。なかなか上手くいかないなあ。皆落ち込んでいる。 # 本が読めません。夜、食事をしながら家族で飲んで、元気を出す。結局、旨いものと酒を活力にしているのだなあ。凡人の復活法です。これしかない。 手塚富雄訳『ツァ…

『高橋是清自伝(上)』

雨。 プール。 『高橋是清自伝(上)』読了。めちゃめちゃ面白い。波瀾万丈の半生というか。是清の周囲の人も含め、明治の人は偉かったと思う。ところで、昔の中公文庫は志があったね。いまは最もつまらぬ文庫のひとつになってしまったが。引き続き下巻を読…

三島由紀夫『アポロの杯』

日曜日。晴。 三島由紀夫『アポロの杯』読了。日記あり、紀行文あり、評論ありの、雑多な集である。書かれた日付も、著者の初期から最晩年に亙る。当り前かも知れないが、凄い才能。小説家について云うのは変かもしれないが、至極頭がいい人だ。日本の古典文…

新田義弘『現象学』/テッサ・モーリス=スズキ『批判的想像力のために』/『野上弥生子短篇集』

晴。 新田義弘『現象学』読了。とても厄介な書物で、到底今の自分によくわかったとは云えない。しかし、時を経てきちんと再読する価値はあるような気がする。現象学 (講談社学術文庫)作者: 新田義弘出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/01/11メディア: 文庫…

こともなし

晴。 音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ・ソナタ第六番(バレンボイム)。 仕事は今日から新年度。まあ、心機一転といきたい。 精神的にはむずかしいところ。中沢さんが師に書いてもらった自伝の題が、『知恵の遥かな頂』というのだけれど、よくこの題のこ…

バレンボイムの弾くモーツァルトのピアノ・ソナタ

バレンボイムのモーツァルトBOX落手。第一番K.279、第四番K.282、第五番K.283、第七番K.309、第八番K.310を聴いてみる。第一印象は、平凡だな、という感じ。ちょっと失望しかけたのだが、聴いていくうちにハマってきた。平凡というよりは、 作為がなくてナチ…

福田和也『日本綺人物語』/カント『視霊者の夢』

晴。 音楽を聴く。■ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第九番(ジュリアードSQ)。確かにテンポは速く、アンサンブルは完璧すぎるかも知れない。これはベートーヴェンではない、という人もいよう。しかし、これはこれで一つの世界であることも、また確かなのだ。…

バルザック『艶笑滑稽譚 第二輯』/坂本龍一、竹村真一『地球を聴く』

曇。夜雨。 バルザック『艶笑滑稽譚 第二輯』読了。第一輯と同じく、古風な凝った文体で訳されているが、慣れれば読みにくくはない。ただ、滑稽譚と云いつつ、ハッピーエンドになっていない短編が結構あるのだよなあ。どういうことなのだろうか。艶笑滑稽譚 …

赤瀬川原平『じろじろ日記』

晴。 朝日新聞の山口昌男追悼記事を書いたのは、中沢新一さんだった。いい文章。中沢さんを世に出したのは、一応山口昌男だったのだよなあ。でもまあそんなことは関係なく、山口昌男にふさわしく、陽気でいい追悼文だった。某宇野なんて読んでいないで、山口…

「衆議院選挙東京第25区の候補者に会って質問できるか やってみた」という動画

朝日新聞の論壇時評で、高橋源一郎さんが紹介していた動画を見る。題は「衆議院選挙東京第25区の候補者に会って質問できるか やってみた」。一素人君が、衆議院選挙の立候補者に質問できるか、やってみたというのだが、対応してくれたのは共産党の候補だけ。…

中井久夫『私の「本の世界」』/宇野常寛『日本文化の論点』/志賀浩二『数学という学問3』

晴。 プール。 音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ・ソナタ第一番(アラウ)。モーツァルトの最初のピアノ・ソナタ(二十歳頃の作曲)であるが、既に完璧だ。本当にいい曲で、時々たまらなく聴きたくなってくる。アラウのピアノは、第一、第二楽章は言うこと…

こともなし

日曜日。曇。 図書館。ラーメン「麺丸」にて昼食。ここは店主とバイト一人だけでやっているので、タイミングが悪いと待たされる。で今日も三〇分待ったのだが、美味いので許します。醬油ラーメンと小ライスで750円。カルコス。中沢新一の『野生の科学』が、…

國分功一郎『暇と退屈の倫理学』/中沢新一、國分功一郎『哲学の自然』/小堀憲『物語数学史』/バッハ:ミサ曲ロ短調

晴。もう初夏の陽気ではないか。 図書館から借りてきた、國分功一郎『暇と退屈の倫理学』読了。素晴らしい本。日録に書く。暇と退屈の倫理学作者: 國分功一郎出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2011/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 13人 クリ…

石井好子『女ひとりの巴里ぐらし』

曇。 石井好子『女ひとりの巴里ぐらし』読了。石井好子は、有名な料理エッセイ『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』の著者であり、本書は著者の本業だった、パリでのシャンソン歌手としての一種の自伝である。鹿島茂の文庫解説(必読)によれば、著者が…

『プラトン全集12 ティマイオス/クリティアス』

晴。暑いくらい。 イオンのJTBへ。旅行代金を支払いに行ったのだが、クーポン、チケットその他は郵送だそうである。段々サービスが悪くなっていくな。 # 図書館から借りてきた、『プラトン全集12 ティマイオス/クリティアス』読了。どれだけ待っても、『テ…

岡崎武志『上京する文學』

晴。 歯医者。今回でとり敢えずお終い。 図書館。國分功一郎と岡崎武志を借りる。 音楽を聴く。■ハイドン:ピアノ・ソナタ第四十四番、第四十番(リヒテル)。リヒテル晩年の録音は、どれも音楽そのものを堪能できる。見事な歳のとり方だ。音も曲に即したタ…

こともなし

晴。暖かくなってきた。 今日は何にも読む気がしない。こういうことは時々ある。仕事だけ。 モーツァルトのピアノ協奏曲第十八番を聴く。ピアノはバレンボイム。吉田秀和さんの名言に、モーツァルトのピアノ協奏曲につまらない曲はないというのがあるが、ま…