2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

こともなし

晴。暖かくなった。 散髪。 エーコを読む。早寝。

『橋川文三セレクション』/松本栄一『チベット 生と死の知恵』

晴。 『橋川文三セレクション』読了。中島岳志編。その文体の無味乾燥さから、自分は多くの政治思想史が苦手だが、橋川文三は読める。硬い文章の底に、生きた血の通いがあるからだ。そして、橋川は、文学の読みも鋭い。実際、本書の「三島由紀夫伝」には、鮮…

中井英夫『人外境通信』

晴。夜雨。 中井英夫『人外境通信』読了。シリーズ「トランプ譚3」である。何とも素晴らしい幻想小説である。自分には、こうした冥い幻想小説への嗜好性があるらしい。このシリーズ、本当にちびちびと読んでいる。これで残りが、あと一冊になってしまったわ…

小島寛之『数学的推論が世界を変える』/『フランシス・ジャム詩集』

晴。 市民プールが工事中だったので、このところ県営プールに通っていたのだが、市民プールが再開したのでまた行ってみる。こちらの方が安いのだが、県営プールに慣れてみると水温が高すぎる。泳いでいると暑いのなんのって、脳の血管が切れるのではないかと…

こともなし

日曜日。晴。 カルコスと図書館。 始めからやりなおしだな。橋川文三を読む。

鈴木大拙『金剛経の禅/禅への道』/メルヴィル『ビリー・バッド』

晴。 図書館から借りてきた、鈴木大拙『金剛経の禅/禅への道』読了。金剛経の禅・禅への道 (新版 鈴木大拙禅選集)作者: 鈴木大拙出版社/メーカー: 春秋社発売日: 1991/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見るメルヴィル『ビリー・バッド』読了。著者…

こともなし

晴。夜、霙混じりの雨。 怠惰。 # ジャン・バラケのピアノ・ソナタを久しぶりに聴く。詳しくはよくわからないが、トータル・セリエズムの書法に依るかと思われる。ヘルベルト・ヘンクのピアノは見事で、演奏は極度に困難だと思われるこの高密度の大曲が、二…

榧根勇『地下水と地形の科学』/モーム『昔も今も』

晴。 大垣。車中BGMは、ブラームスのピアノ四重奏曲第二番(リヒテル、ボロディン SQ)。坂本龍一。 武満徹を聴く。曲は、フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム、トゥイル・バイ・トワイライト、弦楽のためのレクイエム。演奏はネクサス…

ポール・クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』

晴。寒い。 ポール・クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』読了。山形浩生訳。まず、訳者の解説を参照してほしい。本書は基本的にはアメリカの話で、日本についての言及はほとんどない。クルーグマンは、日本がいわゆる「流動性の罠」に陥っていることを…

フェルナンド・ペソア『新編 不穏の書、断章』/薄田泣菫『艸木虫魚』

曇。 フェルナンド・ペソア『新編 不穏の書、断章』読了。ほお、まだこういう書き方があったか。著者は、倦怠の中で、表現者を断念したかに見せかける表現者だ。文学はやりつくされたように見えても、新しい道があるものだな。しかし、頭の良い人が七面倒な…

ヴァレリー・アファナシエフ『ピアニストのノート』

雨。 ヴァレリー・アファナシエフ『ピアニストのノート』読了。あまりにも過激だ。ピアニストは、スター・システムによって無能な音楽家が世界中でもて囃されている現状を、口を極めて糾弾する。まあそんなに怒るなよ、と云ってやりたくなるほどだ。さて、ク…

『この数学書がおもしろい』/莫言『赤い高粱』

日曜日。晴。 カルコスと図書館。 # 図書館から借りてきた、数学書房編集部編『この数学書がおもしろい 増補新版』にざっと目を通す。題名ではないが、本書自身もなかなか面白かった。ただ、初心者向けか専門家向けのいずれかという感じで、学生など、数学…

山下祐介『東北発の震災論』/井筒俊彦「TAT TVAM ASI(汝はそれなり)」

晴。 山下祐介『東北発の震災論』読了。実際に被災地に入ったときのエピソードから、やたらと抽象的な議論まで含んでいて、正直言って著者の意図するところが見えにくかった。これは、自分に社会学の素養がないせいかも知れない。本書のキータームとして、「…

『原典訳 ウパニシャッド』

雨のち晴。 『原典訳 ウパニシャッド』読了。岩本裕訳。井筒俊彦先生の論文に、「TAT TVAM ASI(汝はそれなり)」というものがあったと思うが、何に収録されていたかな。探そう。原典訳 ウパニシャッド (ちくま学芸文庫)作者: 岩本裕出版社/メーカー: 筑摩書…

吉田修一『日曜日たち』

好天。気持ちよく晴れているなあ。 プール。 # 吉田修一『日曜日たち』読了。連作短編集。最初はいかにものラブ・ストーリーかと思ったのだが、単にそれに留まらないから吉田修一は読める。各短篇はゆるやかに繋がっていて、最後は仕掛けが利いている。いつ…

吉田洋一『ルベグ積分入門』/マイヤー=フェルスター『アルト=ハイデルベルク』

晴。 山下達郎「夏への扉」 # ハンバーグ専門店「ダゼリオ」にて昼食。卵とチーズのデミハンバーグ・ランチ1100円。結構おいしい。「3pigs」のハンバーグほどスパイシーではないが。 ダゼリオジャンル:レストラン(その他)住所: 各務原市那加住吉町4-9こ…

平野克己『経済大陸アフリカ』

晴。夜雪。 カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニーによる、リヒャルト・シュトラウスの「ドン・キホーテ」op.35を聴く。カラヤンだが、何もそんなに極度に美しい音で演奏しなくても、と思う。よく云われるいわゆる「カラヤン・サウンド」で、それでもって…

ジョン・パスモア『分析哲学を知るための 哲学の小さな学校』/玄侑宗久『阿修羅』/佐藤優『功利主義者の読書術』

休日。晴。 ジョン・パスモア『分析哲学を知るための 哲学の小さな学校』読了。中身は題名どおりで、読みやすい。もっとも、分析哲学は自分の哲学ではないし、端的に無知なので、本書の評価はできない。個人的には分析哲学も、言語哲学という観点から興味は…

大澤真幸『生権力の思想』

日曜日。晴。 音楽を聴く。■フォーレ:弦楽四重奏曲op.121(エベーヌSQ)。この曲、初めて聴くわけではないと思うのだが、まったく覚えていなかった。渋い曲で、単色の色彩がずっと続く。晩年のフォーレらしい、味わいのある曲。最後はいつものとおり、長調…

『墨子』

晴。寒い。 『墨子』読了。『墨子』はテクストが乱れて難読らしいが、本書森三樹三郎訳は確かに読みやすい。『墨子』は儒者を大変に貶しているが、正直言って『論語』の方が面白いと思う。前者は嫌味だというか、確かに正論は吐いているけれど、器が小さいと…

江沢洋『だれが原子をみたか』/澁澤龍彦編『オブジェを求めて』

晴。 音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第五番K.175(バレンボイム)。突然聴きたくなったので。実質的にモーツァルトの最初のピアノ協奏曲であり、作曲されたのはモーツァルトが十七歳くらいのときだが、溌溂としていて、じつにいい曲だ。モーツァル…

ルベーグ積分について

曇。 プール。 志賀浩二『ルベーグ積分30講』を引き続き読む。ルベーグ積分を形式的に構成するだけなら、本書第十一章以降だけ読めばいいということになろう。しかし、それだけではおそらく何もわからないのであって、それ以前の「測度論」にかなり深入りし…

テリー・イーグルトン『シェイクスピア』/重信メイ『「アラブの春」の正体』

雨。昼から晴れる。 歯医者。歯石取りお終い。今回は早く終ったな。あとはひと月後に見せに行くだけ。 # テリー・イーグルトン『シェイクスピア』読了。原著刊行は一九八六年であり、特に最初の方と「おわりに」に、当時猖獗を極めたポスト構造主義に由来す…

山田稔『生の傾き』/中西進『日本神話の世界』

曇。 イオンのJTBで旅行の手続き。平日だというのに、大変な混雑だ。 # 図書館から借りてきた、山田稔『生の傾き』読了。優れた散文であれば、フィクションとノン・フィクションを区別しないという姿勢は、堀江敏幸などが受け継いでいるが、まずやはり何と…

石田瑞麿『日本人と地獄』

雨。 うどん「恵那」にて昼食。 # 石田瑞麿『日本人と地獄』読了。日本の文献に現れた、地獄観をまとめたものである。やはり源信の『往生要集』の成立が決定的だったようだ。第三章で、文献上において地獄に落とされた人物(例えば紫式部)について述べてあ…

中沢新一『芸術人類学』再読

日曜日。晴。 図書館。西洋哲学の棚があまりにも狭いのに驚く。いつも驚くことが多い。アメリカなどでは、田舎に住んでいても、図書館の本を読んで物書きになった人が結構いるが、日本ではちょっと思い出せない。 イオンに寄ろうと行ってみたら、とてもじゃ…

吉本隆明『思想のアンソロジー』

晴。 ポリーニのピアノ、カラヤンの指揮による、シューマンのピアノ協奏曲を聴く(一九七四年のライブ)。ポリーニのピアノがアグレッシブで、落ち着かせようとするカラヤンのオーケストラと合わないところがある。そのあたりが、同じレーベルだったにも関わ…

木村紀子『日本語の深層』

曇。夜雨。 木村紀子『日本語の深層』読了。現代の日本語が、古代の日本語といかなる関係をもつかを、個々の事例を挙げて説明した本。ちょっと露伴の「音幻論」(確かそうだったはず)を思い出したが、「音幻論」の細部って、果してどうだったっけ。読み返し…