2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ペルシウス、ユウェナーリス『ローマ諷刺詩集』/港千尋『芸術回帰論』/カズオ・イシグロ『日の名残り』

晴。 「3pigs」にて昼食。 ペルシウス、ユウェナーリス『ローマ諷刺詩集』読了。国原吉之助訳。ラテン文学の中でも、シブいのが訳されたではないか。それも、碩学による格調高い訳で*1。原文はヘクサメトロス(長短短六歩格)の諷刺詩(satura)であるが、本…

こともなし

晴。 仕事が忙しかったです。本はユウェナリスを読んでいたくらい。

A・J・P・テイラー『第二次世界大戦の起源』

晴。驟雨。 A・J・P・テイラー『第二次世界大戦の起源』読了。第二次世界大戦は「邪悪で狂気の」ヒトラーによって引き起こされたもので、避けようがなかったという史観があるとすれば、それに真っ向から逆らった史観で、歴史を記述した本である。著者はヒ…

森永卓郎『庶民は知らないデフレの真実』

晴。驟雨。 プール。アピタとその本屋。イオンに食われたせいか、アピタの店内に空きが目立つ。アピタもイオンが出来る前は、ちょっと垢抜けた感じだったのだが、既にイオンほどの集客力は明らかにない。アピタもイトーヨーカドーの轍を踏むのか。 # 森永卓…

吉田秀和さん死去

日曜日。晴。 カルコス。 音楽評論家の吉田秀和さんが亡くなられた。享年九十八。この前吉本隆明さんが亡くなったと思ったら、今度は吉田さん。残念です。これで、小林秀雄の周囲の人たちが完全にいなくなった。なにせ、吉田さんは中原中也の友達だったとい…

佐藤優『帝国の時代をどう生きるか』/志賀浩二『解析入門30講』/西野友年『今度こそわかる 場の理論』

晴。 佐藤優『帝国の時代をどう生きるか』読了。相変らず骨太の文体で、日本のあるべき姿、日本の現状の分析を行なっている。確かに勉強になる。ただ気になるのは、著者がポストモダンとバブルの日本を実体験していないことだ。突飛な例を挙げると、いま、「…

『折口信夫 芸能論集』/『ロラン・バルト映画論集』

小雨のち晴。 『折口信夫 芸能論集』読了。安藤礼二編。折口信夫芸能論集 (講談社文芸文庫)作者: 折口信夫,安藤礼二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/05/11メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る『ロラン・バルト映画論集』読…

渡辺京二『民衆という幻像』

晴。 渡辺京二『民衆という幻像』読了。何もかも面白い。というか、自分のどうしようもない貧しさが痛撃される。著者は、近代日本思想史家として巨大な存在であることはいうまでもないが、本書でほとほと感心したのは、外国文学の読みであった。とりわけフォ…

こともなし

晴。 図書館。 春眠というが、空き時間は眠って過ごしてしまう。いろいろ混乱している。いま最低レヴェルだが、まあそのうち復活するでしょう。渡辺京二を読む。石牟礼道子『苦海浄土』落手。

こともなし

曇時々小雨。 渡辺京二を読む。 # 石巻のガレキを北九州で処理することについて、北九州の「市民」とやらの反対運動・実力阻止に呆れる(参照、参照)。石巻なのに何故放射線が関係するのか。石巻の人たちはバイキンですか。だいたい、多少放射線量が高くて…

金環日食!/野呂邦暢『落城記』/小川洋子『ブラフマンの埋葬』

金環日食を見ようと、朝六時過ぎに起きる。天気が危ぶまれたが、申し分の無い快晴だ。一時間くらい前から右上が欠け始める。七時半過ぎ、金環日食になりましたよ! すばらしい。あたりは夕立でも降りそうなくらいの薄暗さ。木洩れ日なども欠けている。金環状…

青柳正規『逸楽と飽食の古代ローマ』/川上未映子『世界クッキー』/リヒテルのハイドン祭

日曜日。晴。 カルコス。 青柳正規『逸楽と飽食の古代ローマ』読了。ペトロニウスの『サテュリコン』を精読している。「トリマルキオの饗宴」から、古代ローマにおける「饗宴」の様子を浮かび上がらせている。逸楽と飽食の古代ローマ―『トリマルキオの饗宴』…

倉山満『検証 財務省の近現代史』

晴。 今日は仕事が忙しかった。 倉山満『検証 財務省の近現代史』読了。大蔵省(現財務省)の誕生から、現在までの歩みをコンパクトに検証している。聞いたこともないような話が多く、確かに面白いことは面白い。よく調べられているなと思う。しかしちょっと…

三島由紀夫『裸体と衣裳』

晴。 「恵那」にて昼食。 三島由紀夫『裸体と衣裳』読了。日本語離れした、強靭な散文。非常に抽象的な議論がなされるのも、またそうである。それでいて、日本文化の伝統が血肉化されている。三島は空疎だなどと聞いた風なことをいう前に、きちんと読んでみ…

ブリア‐サヴァラン『美味礼讃(下)』/志賀浩二『複素数30講』/深谷賢治『双曲幾何』

曇。 中華料理「喜楽」にて昼食。炒飯+ラーメン890円。ラーメンも炒飯も超ふつう。炒飯がふわふわ軽いのは取り柄だが、少々塩辛い。 喜楽ジャンル:中華料理住所: 各務原市那加土山町2-152-1このお店を含むブログを見る | (写真提供:HASH-ROYAL)# ブリア…

ブリア‐サヴァラン『美味礼讃(上)』/ハイドンのピアノ・ソナタ

晴。 ブリア‐サヴァラン『美味礼讃(上)』読了。原題の「味覚の生理学」の方が、内容に合っているような気がする。モラリスト文学に繋がっているところもあるかと。単にあれが美味い、不味いというような本ではない。美味礼讃 (上) (岩波文庫 赤 524-1)作者…

吉見俊哉『「声」の資本主義』(乱丁落丁あり)

雨。 吉見俊哉『「声」の資本主義』読了。なのだが、めずらしいことに、大きな乱丁・落丁があった。p.145-176が落丁。p.177-208が二重になった乱丁。一応通読し、読んだ範囲ではおもしろかったことは記しておこう。とりわけ、無線通信からラジオの誕生までの…

フッサール『間主観性の現象学 その方法』/由良君美『みみずく偏書記』

晴。 プール。アピタとその本屋。店頭が萌え絵の表紙の小説(ライト・ノヴェルに限らない)に占領されていて驚いた。って、別に最近そうなったというわけではないが、あらためて気づいたのである。おじさんはちょっと引かざるを得ない。 エトムント・フッサ…

ポオ『詩と詩論』

日曜日。晴。 カルコス。「新潮」6月号の中沢新一「『自然史過程』について・2」を立ち読み。帰宅してPCで検索していたら、中沢に対する胸の悪くなるようなひどい罵倒を目にしてしまい、いやな気分になる。 ポオ『詩と詩論』読了。「ユリイカ」は岩波文庫の…

加藤隆『旧約聖書の誕生』

晴。 モーツァルトの「不協和音」を聴く。ジュリアードSQ。有名な冒頭ももちろんいいし(ここは、自分は奇を衒っているだけだとは思わない)、この曲はそれだけではない。どの楽章も充実している。名曲だ。 スターンのヴァイオリン、バレンボイムの指揮で、…

有田隆也『生物から生命へ』

晴。寒い。 有田隆也『生物から生命へ』読了。コンピュータ・シミュレーションか。今やそればかりだな。生物から生命へ―共進化で読みとく (ちくま新書)作者: 有田隆也出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/04/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 21回こ…

吉田修一『女たちは二度遊ぶ』/チェ・ゲバラ『モーターサイクル・ダイアリーズ』

晴。 吉田修一『女たちは二度遊ぶ』読了。短篇集。都会、いや東京以外ではあり得ない(と自分が勝手に想像する)恋愛のシチュエーションを描いた作品ばかりだ。登場人物が皆若いし。こういうのだけが恋愛なら、自分は恋愛不適格者ですね。ってどうでもいいか…

田中秀臣、野口旭、若田部昌澄『エコノミスト・ミシュラン』

晴。 図書館。 田中秀臣、野口旭、若田部昌澄らの共著『エコノミスト・ミシュラン』読了。九年前の本で、リフレ派の立場から、当時活躍していた(あるいは今も)エコノミストらを切った本である。九年経っても本書の価値がなくならないのは、まともな議論を…

山田健『水を守りに、森へ』

晴。 山田健『水を守りに、森へ』読了。日録に書く。水を守りに、森へ―地下水の持続可能性を求めて (筑摩選書)作者: 山田健出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/01/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る

バルザック『ゴプセック/毬打つ猫の店』/堀江敏幸『一階でも二階でもない夜 回送電車2』/『マンキュー経済学 ミクロ編』

晴。 カルコス。 バルザック『ゴプセック/毬打つ猫の店』読了。バルザックは打率が高く、これまで読んでつまらなかったことがない。本書もその例外ではない。欲が人間をどこへ連れていくか、こういうことを書かせたらバルザックは天下一品だ。まず、端的にお…

マキァヴェッリ『フィレンツェ史(下)』/すが秀実『反原発の思想史』

日曜日。雨のち晴。 妹一家帰る。 マキァヴェッリ『フィレンツェ史(下)』読了。翻訳書での下巻(第五巻から第八巻まで)の方が、上巻よりもドラマに満ちている。「メディチ家」というヒーローがあるからだろう。本書は、メディチ家出身の法王クレメンス七…

イタロ・カルヴィーノ『なぜ古典を読むのか』

休日。晴。 イタロ・カルヴィーノ『なぜ古典を読むのか』読了。須賀敦子訳。カルヴィーノが論じているもので、読んでいない古典が多いなと思う。アリオストを読んでいないし、ディドロを読んでいないし、パステルナークも読んでいない。偶々読んでいたものに…

村井章介『世界史の中の戦国日本』/赤瀬川原平『老人力のふしぎ』

休日。晴。 いろいろブログを巡回していて改めて思うのだが、皆じつに文章がうまい。日常のちょっとしたことを文学的に、おもしろく書いている。少しうますぎるくらい。切り出したばかりの大理石のような、プリミティヴな、もっとごつごつした文章はないのか…

休日らしい一日

休日。晴。 昼からHさんと会う。岐阜県美術館を案内。ルドンの収集がまとめて展示してあった。喫茶店で長いこと駄弁る。どうでもいいことをいろいろ話したな。 妹夫婦らと家族で団欒(?)。何だかよく喋る日。甥っ子らと花札をやったり。

ボルヘス『汚辱の世界史』/マキァヴェッリ『フィレンツェ史(上)』

雨。 J・L・ボルヘス『汚辱の世界史』読了。中村健二訳。ボルヘスの最初の短篇集である。出発点から、ボルヘスはボルヘスだったのだな。多読によって蓄えた歴史的知識を、幻想譚として敢て改竄するボルヘスは、外国人作家として自分が最も愛する小説家のひ…