2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

キルケゴール『ドン・ジョヴァンニ 音楽的エロスについて』

晴。 ゼーレン・キルケゴール『ドン・ジョヴァンニ 音楽的エロスについて』読了。『あれか、これか』からの抜粋。キルケゴールは「ドン・ジョヴァンニ」を、「すべての古典的な作品のうちで第一位に値する」というほど評価している(ここでの作品」は、音楽…

アンジェラ・カーター『血染めの部屋』

曇。 アンジェラ・カーター『血染めの部屋』読了。幻想短篇集。エロティシズムと死の匂いが濃厚にする。ただ、見当はずれかも知れないが、女性の想像力のエロティシズムのような気がする。ナルシスティック。民話を換骨奪胎した作品が多いのは、ちょっとペロ…

仕切り棚を造ってみる

既製品の古びた本棚の棚が縦に広すぎるので、仕切りのようなものが欲しいのだが、いろいろ探してもぴったりなのがない。では、いっちょう造ってみるか、というわけで、DIYの真似事。バローホームセンター各務原インター店へ行って、店の人に相談する。いろい…

草場公邦『ガロワと方程式』/渡辺京二『私の世界文学案内』

晴。 プール。アピタとその本屋。 図書館から借りてきた、草場公邦『ガロワと方程式』にざっと目を通す。まあ、目を通したというだけ。久しぶりに数学の感覚に慣れただけ、よしとしよう。わかりやすい本だと思う。ガロワと方程式 (すうがくぶっくす)作者: 草…

フランク・ブリッジの弦楽四重奏曲第二番、第四番

フランク・ブリッジ(1879-1941)の室内楽を聴く。語法は基本的に後期ロマン派を大きく出るものではない。弦楽四重奏曲第二番と第四番は、さらにモダンな感じを与える。しかし、第二番は正直言って退屈だった。響きは密でシャープなのではあるが、作曲技法の…

『折口信夫天皇論集』/中村真一郎『女たち』

日曜日。曇。 家の裏で白い猫が死んでいた。悪いものを食べたか、病気だったのか、血を吐いていた。かわいそうなので埋めてやる。どうしてウチを死に場所にしたのかなあと思う。静かだからか。何でも昨日あらわれ、母の顔を何度も振り返りながら去っていった…

こともなし

晴。 今日は仕事で疲労困憊。疲れたー。 # 特に訳もなく、n乗根(例えば=1.91293…)を冪級数展開か何かで求められないかなあと思う。漸化式で求めるアルゴリズムは、Wikipediaにあったのだが。このやり方は強力ですね。実際にでやってみると、仮に =1.5 と…

カロッサ『ドクトル・ビュルゲルの運命』/小林章夫『イギリス王室物語』

晴。 カロッサ『ドクトル・ビュルゲルの運命』読了。手塚富雄訳。小さくて繊細な悲劇。今カロッサを読む人はどれくらいいるのだろう。ドクトル・ビュルゲルの運命 (岩波文庫)作者: カロッサ,手塚富雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1953/01/05メディア: …

マーク・ブキャナン『歴史は「べき乗則」で動く』

雨のち曇。 マーク・ブキャナン『歴史は「べき乗則」で動く』読了。べき乗則とは、ある量の対数が別の量と直線的な関係にあるとき、これが成立しているという。(フラクタルとも関係がある。)その解析は、もともと物理(非平衡統計力学)の分野で発展したも…

伊藤邦武『偶然の宇宙』

晴。夜雨。 伊藤邦武『偶然の宇宙』読了。宇宙物理学の神学化。人間原理。偶然の宇宙 (双書現代の哲学)作者: 伊藤邦武出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/06/27メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見る# ベートーヴェンの交響…

藤田達生『秀吉と海賊大名』/安岡章太郎『鏡川』/森永卓郎『リストラと能力主義』

晴。 藤田達生『秀吉と海賊大名』読了。伊予河野氏。毛利氏。長宗我部元親。信長。秀吉。西国における、伊予の地政学的重要性。 本書の最後に、著者によって次のようにまとめられている。「小著では、秀吉による瀬戸内海賊世界の再編過程を三段階にわけて説…

フンボルト『自然の諸相』/福田和也『死ぬことを学ぶ』/永井荷風『つゆのあとさき』

晴。 プール。車の中は暑いくらい。カルコス。 アレクザンダー・フォン・フンボルト『自然の諸相』読了。ゲーテの自然科学論集に続き、またまた木村直司氏のちくま学芸文庫オリジナル訳。シブい本だ…フンボルト 自然の諸相―熱帯自然の絵画的記述 (ちくま学芸…

ユクスキュル『生命の劇場』

日曜日。晴。 ヤーコプ・フォン・ユクスキュル『生命の劇場』読了。ユクスキュルの遺稿。著者は「環世界」なる概念の提唱者だが、本書を読むと反ダーウィニズム論者だということがわかる。「環世界」は進化にも関係しているのだ。また、こんなことも言ってい…

ベルクソン『精神のエネルギー』/大戦略DS落手

晴。 アンリ・ベルクソン『精神のエネルギー』読了。原章二による新訳で、日本語の散文としてすばらしいものになっている。明晰であり、ふわっとして仄かに文章が発光しているかのよう。本書はベルクソンを初めて読む人にはぴったりだと思うし、既に主著を読…

「ホラー・ドラコニア」の『菊燈台』/プラトン『メノン』/宇野常寛、濱野智史『希望論』

曇のち晴。 平凡社ライブラリーの「ホラー・ドラコニア」のシリーズ第二弾、『菊燈台』読了。絵は山口晃で、恥ずかしながら山口のことは知らなかったのだが、一見で気に入った。こちらをワクワクさせるようなエロティシズムで、見飽きない。伝統的なタッチを…

山下達郎&吉田美奈子1980.1.23スタジオライブ

岩波講座「現代数学の基礎」全十七巻落手/中井久夫『「伝える」ことと「伝わる」こと』

曇。 とうとう岩波講座「現代数学の基礎」全十七巻を買ってしまいましたよ。「日本の古本屋」のサイトで検索していたら、安いのがあったので、思い切って注文したのが今朝届きました。これでわけのわからない数学書がいっぱい…で、また楽しめる。嬉しい。そ…

小沼丹『更紗の絵』

曇。 小沼丹『更紗の絵』読了。悪くない。著者二十代後半の出来事を元に、五十歳を過ぎてから書いた私小説。敗戦直後の話で、意外とのんびりとした雰囲気が揺曳している。著者の徳ゆえだろうか。更紗の絵 (講談社文芸文庫)作者: 小沼丹出版社/メーカー: 講談…

伊藤博明『ルネサンスの神秘思想』/遠山啓『代数的構造』

雨。 伊藤博明『ルネサンスの神秘思想』読了。ペトラルカに始まってピーコ・デッラ・ミランドラ、占星術やカバラまで、ルネサンスの思想を詳しく論じている。ルネサンスの思想は、多かれ少なかれ神秘がかっていたものらしい。だから、アリストテレスより、プ…

ボルヘス『異端審問』/志村五郎『数学の好きな人のために』

曇のち雨。 イオンの写真屋とカルコス。 図書館から借りてきた、ホルヘ・ルイス・ボルヘス『異端審問』読了。異端審問作者: ホルヘ・ルイス・ボルヘス,中村健二出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1982/05メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (…

バジョット『イギリス憲政論』/青山拓央『分析哲学講義』

日曜日。晴。 「3pigs」にて昼食。自家製ハンバーグランチ1250円。 バジョット『イギリス憲政論』読了。W-67 イギリス憲政論 (中公クラシックス)作者: バジョット,小松春雄出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2011/11/09メディア: 単行本(ソフトカバー)…

こともなし

休日。晴。 カルコス。本屋は十日ぶりくらいか。 バジョットを読む。 紅菜苔(コウサイタイ)

松本三之介『明治精神の構造』/頼富本宏『密教』

晴。 中華「龍園」にて昼食。炒飯+焼き餃子760円。 松本三之介『明治精神の構造』読了。明治精神の構造 (岩波現代文庫)作者: 松本三之介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/01/18メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (3件) を見る頼富本…

バルザック『役人の生理学』/三島由紀夫『太陽と鉄』

晴。散髪。 バルザック『役人の生理学』読了。役人の生理学 (ちくま文庫)作者: オノレ・ドバルザック,Honor´e de Balzac,鹿島茂出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1997/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る三島由紀夫…

大江健三郎『見るまえに跳べ』

晴。風花飛ぶ。 大江健三郎『見るまえに跳べ』読了。初期短篇集。読んでいて惹き込まれた。才能は明らか。見るまえに跳べ (新潮文庫)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1974/05/28メディア: 文庫 クリック: 32回この商品を含むブログ (44件) …

辺見庸『自動起床装置』/スティーヴンソン『マーカイム・壜の小鬼』

雨。大垣。 辺見庸『自動起床装置』読了。自動起床装置 (文春文庫)作者: 辺見庸出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1994/09メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見るスティーヴンソン『マーカイム・壜の小鬼 他』読了。短篇集。面白い!…

加古孝『自然科学の基礎としての微積分』/スタンレー・ミルグラム『服従の心理』/石川啄木詩集『あこがれ』

雨。 「恵那」にて昼食。味噌煮込みうどん800円。 図書館で借りた、加古孝『自然科学の基礎としての微積分』にざっと目を通す。自分の好きな、薄っぺらい入門書なのであるが、極限などの取り扱いはかなり丁寧だ。初めて大学レヴェルの数学を学ぼうとする人に…

奥村晃史展/図書館カードを作る

日曜日。曇。 鼻風邪のような症状は残っているが、おおよそ良くなった気がする。 中央図書館の三階で、地元・各務原の洋画家の奥村晃史(HP)の展覧会をやっているので、観てきた。写実的な技法で動物の絵を描いているのだが、どの絵も仕掛けがしてあって、…

内田樹、中沢新一『日本の文脈』

曇。 調子変らず。良くも悪くもなし。 内田樹と中沢新一の対談集『日本の文脈』読了。相変らず内田樹の言っていることはまったくわからないが、感性は悪くないのかもと思った。そして中沢さんである。この人の言っていることはもちろん素晴らしいのだが、こ…

田中健夫『倭寇』/荒川洋治『忘れられる過去』

晴。 かなり良くなる。完治したわけではないが、今日からは仕事に出ねばなるまい。医者によれば五日間ほどは保菌するので、マスクは必携だろうな。他人にうつさないようにしないと。 田中健夫『倭寇』読了。中国にしてみれば、秀吉の朝鮮出兵も大倭寇だった…