2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

アダム・カバット『江戸滑稽化物尽くし』/岡本太郎の宇宙2『太郎誕生』

曇。 アダム・カバット『江戸滑稽化物尽くし』読了。好著。黄表紙に見られる、滑稽で愛らしい化物たちに関する論考である。江戸の人々は、笑いのセンスが良かったのだな。化物といっても、怖いというよりは、笑える存在なのだ。江戸滑稽化物尽くし (講談社学…

内田樹『下流志向』

晴。大垣。 内田樹『下流志向』読了。副題「学ばない子どもたち 働かない若者たち」。本書とはあまり関係がないが、今の時代を象徴するのは、「面倒くさい」という言葉だと思う。そう面倒くさいなら、生きるのも面倒くさくなれよ、と思うときがあるが、実際…

クライスト『チリの地震』

晴。イオン。 ハインリヒ・フォン・クライスト『チリの地震』読了。種村季弘訳。こんな作家がいたとは! 驚愕である。残した戯曲は八作、短編小説もたった八作で、三十四歳で死んだという。本書はその内、六つの短編とエッセイ二編を収める。完璧な短編ばか…

大杉栄『反逆の精神』/金谷治『易の話』/サクライ『上級量子力学2』

日曜日。晴。 「恵那」にて昼食。 大杉栄『反逆の精神』読了。知と情が綯い交ぜとなった、奇妙な文体。叛逆の精神―大杉栄評論集 (平凡社ライブラリー)作者: 大杉栄出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2011/05/10メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリ…

小沼丹『懐中時計』

晴。 小沼丹『懐中時計』読了。本書の最後にある「著者から読者へ」の中に、「小説は昔から書いているが、昔は面白い話を作ることに興味があった。それがどう云うものか話を作ることに興味を失って、変な云い方だが、作らないことに興味を持つようになった」…

『ゴンクールの日記(上)』

晴。溽い。夜中、強い雨。 『ゴンクールの日記(上)』読了。斎藤一郎編訳。とても面白く、抄訳が残念なほど。もちろん原文は知らないわけだが、熟れたような訳文は見事だ。ゴーチエ、サント=ブーヴ、フロベール、ジョルジュ・サンド、ゾラら、文学者たちと…

渡辺京二『神風連とその時代』/河野哲也『意識は実在しない』

曇。 渡辺京二『神風連とその時代』読了。神風連とはまことに奇妙なもので、著者は取り憑かれたとしか云えない。こちらも、読んでも落ちつかないような感じである。ただ、神風連の奉じていた「神」は、彼らにとってはもちろん「八百万の神」なのだが、読んで…

こともなし

曇。今にも降り出しそうな天気。 CoCo壱番屋岐阜東興町店にて昼食。 今日でやっと忙しい日々が終る。一箇月間、長かった。疲れが溜っているなあ。 # ゲルギエフ指揮、マーラーの交響曲第六番第一楽章冒頭。かなりテンポが速くて颯爽としているが、それだけ…

多根清史『教養としてのゲーム史』

曇。 コメダ珈琲岐阜駅東店にて昼食。 多根清史『教養としてのゲーム史』読了。過去に遊んだゲームが多くて、懐かしかった。でも、一部の世代(ファミコン世代?)にしか、話がわからないのではないか。それほど切り口が鮮やかというわけでもない。教養とし…

クラカウアー『天国と地獄』/笙野頼子『レストレス・ドリーム』/パオロ・バチガルピ『ねじまき少女(下)』

晴。 ジークフリート・クラカウアー『天国と地獄』読了。副題「ジャック・オッフェンバックと同時代のパリ」。オッフェンバックの生涯をなぞりながら、第二帝政下のパリを描いた著作。重量級。天国と地獄―ジャック・オッフェンバックと同時代のパリ (ちくま…

原武史『鉄道ひとつばなし2』

日曜日。雨。 カルコス。 原武史『鉄道ひとつばなし2』読了。なぜか近所のどの本屋にもなく、仕方なしにアマゾンで購入。自分は鉄道は好きだが、マニアではまったくない。だいたい、本書でも高く評価されている宮脇俊三を読んで、鉄道が好きになったのだっ…

こともなし

晴。涼しくなった。 疲労困憊。最悪の調子。早く寝る。 安永祖堂を読む。

こともなし

雨だったり曇だったり。 バスなどで移動中に坂本龍一の『sweet revenge』を聴く(MD+NCヘッドホン)。これ好きなのだよね。何とも甘くてカッコいい。そりゃ前衛的なのもいいけれど。NCヘッドホンで聴いていると、NCを切ると世界がうるさすぎることに気づく。…

アリストテレス『心とは何か』/原武史『鉄道ひとつばなし3』

晴。散髪。 アリストテレス『心とは何か』読了。従来『霊魂論』『霊魂について』などと訳されてきた著作。訳文は明快であるが、もともと本書は難解で有名らしい。なお、術語は、既訳のものとかなり異なっている。アリストテレス 心とは何か (講談社学術文庫)…

フェルドウスィー『王書』/エーコ『ウンベルト・エーコの文体練習』

晴。 フェルドウスィー『王書』読了。十一世紀ペルシャの叙事詩。王書―古代ペルシャの神話・伝説 (岩波文庫)作者: フェルドウスィー,岡田恵美子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1999/04/16メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (8…

樺山紘一『世界史への扉』/『澁澤龍彦 書評集成』

晴。 ギャングどもは帰っていきました。平和だ。 樺山紘一『世界史への扉』読了。軽い歴史読み物。世界史への扉 (講談社学術文庫)作者: 樺山紘一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/08/11メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (9件) を見る『…

中沢新一『日本の大転換』/鈴木大拙『禅の第一義』

晴。十一時間くらい寝た。 カルコス。 中沢新一『日本の大転換』読了。「すばる」論文にかなり加筆されている。原発・エネルギー問題と、資本主義、さらに来たるべき経済システムの関係が、より詳しく説明されている。爆発的な本だ。これから何度もここに立…

お盆

日曜日。曇。 妹一家来訪。お盆のあいだ泊まっていく。ギャングども(甥っ子たち)が来たぞ! 名古屋の伯母来訪。墓参り。その後、みんなで飲み食いする。死者たちの話。

佐藤文隆『量子力学は世界を記述できるか』/サクライ『上級量子力学1』

晴。 佐藤文隆『量子力学は世界を記述できるか』読了。日録に書く。量子力学は世界を記述できるか作者: 佐藤文隆出版社/メーカー: 青土社発売日: 2011/06/25メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (10件) を見る上の本を読んだ勢いで、物理の…

サマセット・モーム『女ごころ』

晴。 サマセット・モーム『女ごころ』読了。原題「Up at the villa」。まったくモームは侮れない。通俗といわれようが、お話の魅力をたっぷり味わわせてくれる。よく云われるように、モームの人間観察はどことなく皮肉で、苦いものではあるが、それは小説に…

山下達郎『Ray Of Hope』

晴。 カルコスとBOOK OFF。 山下達郎の『Ray Of Hope』を聴く。日録に書く。Ray Of Hope (初回限定盤)アーティスト: 山下達郎出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン発売日: 2011/08/10メディア: CD購入: 16人 クリック: 490回この商品を含むブ…

パオロ・バチガルピ『ねじまき少女(上)』

晴。 パオロ・バチガルピ『ねじまき少女(上)』読了。久しぶりにSFを読む。ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)作者: パオロ・バチガルピ,鈴木康士,田中一江,金子浩出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/05/20メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 629回この…

養老孟司『脳の見方』

晴。 ラーメン「麺丸」にて昼食。ここ旨いなあ。豚骨ラーメンって、好きなんだが、なかなか美味しい店がないのだよね。 養老孟司『脳の見方』読了。脳の見方 (ちくま文庫)作者: 養老孟司出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1993/12メディア: 文庫 クリック: 3…

清水幾太郎『流言蜚語』

晴。酷暑。 「3pigs」にて昼食。 清水幾太郎『流言蜚語』読了。今日はやりの社会学だが、清水幾太郎の名を見かけなくなって久しい。読みやすいと云われた文章も、確かに古めかしく思われるようになった。しかしこの人は、自分の頭で考えられる学者であった。…

ブライアン・グリーン『隠れていた宇宙(下)』

日曜日。晴。 ブライアン・グリーン『隠れていた宇宙(下)』読了。並行宇宙、多宇宙か。監修者である竹内薫氏が、あとがきで書いているとおり、現代の物理学はSF化している。これは、理論が実験を、いまのところ遥かに超えてしまっているからだ。実験の裏づ…

ブライアン・グリーン『隠れていた宇宙(上)』

晴。 ブライアン・グリーン『隠れていた宇宙(上)』読了。著者の処女作である『エレガントな宇宙』は超ひも理論を解説して話題になったし、実際読んで面白かった。『宇宙を織りなすもの』は、どういう話だったっけ。で本作だが、とりあえず上巻は、まだ導入…

柏木如亭『訳注聯珠詩格』

晴。驟雨。 仕事が大変なのだが、ヘコムことあり。なかなか上手くいかないなあ。こういうときは、初心に返ろうと自分に言い聞かせるしかない。ダメならダメで仕方ないね。うれしいことがないわけでもないし。 # シューマンのピアノ協奏曲、第一楽章を聴く。…

素人と経済学の難解さについて

急激な円高に、為替への介入と日銀のさらなる金融緩和が行われ、一応円は3円ほど安くなった。で、その日銀の対応だが、ツイッターを見ていると、自分の注目している人たちは、緩和の規模が小さいとして、否定的な人が多かった。そうなのかなあ。これマジで書…

田澤耕『ガウディ伝』/山口昌哉『カオスとフラクタル』

晴。 琴塚の「龍園」にて昼食。炒飯+焼き餃子で760円。 田澤耕『ガウディ伝』読了。新書だからガウディの入門書かと思って読み始めたが、「ガウディについて日本語で書かれたものは、既に多い」という認識の下で書かれているから、単純なガウディ伝ではなか…

こともなし

晴。 仕事の合間に仮眠を取ろうと思ったのだが、疲れすぎていて眠れなかった。しかし、しばしの休息。 風呂に入っていたとき浮かんできたメロディを反芻しているうち、ショパンのスケルツォ第四番の中間部だと気づく。寝る前にポリーニの演奏でひさしぶりに…