2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ウィーナー『サイバネティックス』/森山大道『昼の学校 夜の学校+』

晴。暑い。 ウィーナー『サイバネティックス』読了。今ではサイバネティックスは、ある(学問)領域では当り前すぎて意識されないくらいであるが、本書はそれを単独で切り開いた、二十世紀の古典である。シャノンと共に情報理論を確立し、コンピューターの基…

浅羽通明『新書版 政治学』

晴。暑すぎる。まだ六月ですよ。 浅羽通明『新書で大学の教養科目をモノにする 政治学』読了。教科書。新書で大学の教養科目をモノにする 政治学 (光文社新書)作者: 浅羽通明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2011/06/17メディア: 新書 クリック: 16回この商…

ボルヘス『詩という仕事について』

晴。 J・L・ボルヘス『詩という仕事について』読了。ボルヘスの詩論で、原文は英語でなされた講演を収めたものである。自分は詩音痴である上に、ボルヘスの詩の読解が深くて、就いて行くだけでも精一杯というところか。実際、まあボルヘスと比べるのが間違…

羽海野チカ『3月のライオン』/吉田武『オイラーの贈物』

曇。 プール。ラーメン「やまと」にて昼食。つけそば+小ライス。旨いな。 帰りにBOOK OFF。久しぶりにマンガを買う。 で、羽海野チカ『3月のライオン』1〜3読了。もうマジで大感動。泣きそうです、というか、(恥ずかしながら)じつは泣いている。既刊全…

佐々木中『この日々を歌い交わす アナレクタ2』

日曜日。曇。 カルコス。 佐々木中『この日々を歌い交わす アナレクタ2』読了。まだ読んで元気は出るし、悪くないが、本を出すたびに中身が薄口になるような。この日々を歌い交わす---アナレクタ2 (アナレクタ 2)作者: 佐々木中出版社/メーカー: 河出書房…

柳田国男『孤猿随筆』/朝日新聞の凋落

晴。暑い。 柳田国男『孤猿随筆』読了。解説はなくもがなではないだろうか。岩波文庫まで無理に解説をつける必要は、ないように思う。孤猿随筆 (岩波文庫)作者: 柳田国男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/03/17メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を…

猪狩惺『フーリエ級数』

曇。 猪狩惺『フーリエ級数』にざっと目を通す。中々むずかしいなあ。フーリエ級数 (岩波全書 283)作者: 猪狩惺出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1975/10/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る# リヒテルの弾く、…

大澤真幸『近代日本のナショナリズム』/芥川龍之介『戯作三昧・一塊の土』

曇。 イオンのJTBと本屋。 大澤真幸『近代日本のナショナリズム』読了。どの論文も刺激的だが、とりわけ第五章の「現代日本の若者の保守化?」が切れ味抜群だ。自分に近い世代が分析の対象になっていることもあって、したたか感心させられた。現代日本の…

佐藤泰志『大きなハードルと小さなハードル』/鹿島茂『セーラー服とエッフェル塔』

曇。 佐藤泰志『大きなハードルと小さなハードル』読了。「暴力的」な、なまなましい小説群だ。生が(「性」も)過剰で、主人公たちがそれを持て余している、とでもいうような。大きなハードルと小さなハードル (河出文庫)作者: 佐藤泰志出版社/メーカー: 河…

岡崎武志『女子の古本屋』

曇時々雨。 大垣。BOOK OFF大垣バイパス店。ここの「ブ」は、自分の欲しい類の本が結構105円で有る。今日は久々に12冊ほど買った。 岡崎武志『女子の古本屋』読了。これは読んでみたかった本。岡崎さんのはブログはいつも拝読しているのだが、著書を読むのは…

「レコード芸術」7月号・「吉田秀和」特集/タイラー・コーエン『創造的破壊』

雨。 プール。アピタとその本屋。 久しぶりに「レコード芸術」誌(7月号)を買う。買ったのは何年ぶりだろう、広告も新譜も減って、薄くなってしまったな。「吉田秀和」特集が目当てで、白石美雪氏を聞き手としたインタヴューが、実におもしろい。日本のクラ…

山田稔『特別な一日』

日曜日。晴。 図書館から借りてきてもらった、山田稔の『特別な一日』読了。滋味がこちらに染み込んでくるような散文だ。この集の中ではちょっと異質だが、「わがオーウェル」には心動かされた。山田稔がオーウェルに感動していたとは。オーウェルは自分が学…

福田和也『昭和天皇 第二部』/中井久夫『「つながり」の精神病理』

雨。 福田和也『昭和天皇 第二部』読了。副題「英国王室と関東大震災」。政治から文明論、人物評まで、目配りの広い本で、おもしろいし、とても勉強になる。政治的には右寄りと思われる著者だが、イデオロギーに振り回されるようなことはなく、左翼思想の持…

渡辺慧『知るということ』

晴。 渡辺慧『知るということ』読了。副題「認識学序説」。論理学における確率の導入など。本書の扱っているような題目は、自分にとってはあまり興味がなく、したがって苦手な分野でもあるのだが、一度はきちんとやっておかないといけないだろうな。論理実証…

佐々木中『定本 夜戦と永遠(下)』

曇のち雨。 銀行。 佐々木中『定本 夜戦と永遠(下)』読了。前にも書いたとおり、本書の立論が当っているかどうかは自分にはわからないのだが、全部読み切ってみて、これは肯定したい気分になった。結局自分には「文体」の問題と云ってよいと思うが、最初は…

松尾剛次『中世都市鎌倉を歩く』/ポリーニのベートーヴェンop.101

晴。 松尾剛次『中世都市鎌倉を歩く』読了。足利氏や上杉氏の治めた、室町時代の鎌倉に光を当てているところがめずらしい。室町時代になっても、鎌倉は依然として重要な都市でありつづけたことがわかる。 ところで、本書に限らないが、どうして日本史の本と…

ゲーテ『スイス紀行』

晴。 ゲーテ『スイス紀行』読了。木村直司編訳。相変らずシブいシリーズだ。元々『スイス紀行』という題の著作があるわけではないが、『詩と真実』の一部や手紙類から編集したものである。これはもう、『イタリア紀行』も訳して頂いたらどうだろう。ゲーテ …

モース研究会『マルセル・モースの世界』/津村節子「紅梅」

曇。 プール。ラーメン「やまと」にて昼食。味噌チャーシュー麺+小ライス。アピタの本屋に寄るが、ちくま文庫の新刊が入っていない。三洋堂書店にも寄るがなし。まったくどうなっているのだ? モース研究会『マルセル・モースの世界』読了。まず冒頭の、岡…

佐々木中『定本 夜戦と永遠(上)』

日曜日。晴。 カルコスには『女子の古本屋』文庫新刊がなかったので、イオンの未来屋書店も行ってみたが、ちくま文庫の新刊が入っていない。苦労して駐車スペースを探したのに。で、TSUTAYAも行ってみたが、ここもちくま文庫はなし。ウチの近所は、な…

原武史『増補 皇居前広場』/坂井典佑『場の量子論』

晴。 原武史『増補 皇居前広場』読了。ちょっと大袈裟に云えば、「空間政治学」とでもいうべきものの試み。皇居前広場を対象にした、定点観測をやっているのだが、これがまたいい切り口なのだ。これ原本は、光文社新書だそうで、こんな面白い本を見逃してい…

ルター『キリスト者の自由・聖書への序言』

曇のち雨。 マルティン・ルター『キリスト者の自由・聖書への序言』読了。キリスト者の自由・聖書への序言 (岩波文庫)作者: マルティン・ルター,石原謙出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1955/12/20メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 31回この商品を含むブ…

ヤスパース『哲学』/遠藤誉『ネット大国中国』

晴。 ヤスパース『哲学』読了。哲学 (中公クラシックス)作者: ヤスパース,Karl Jaspers,小倉志祥,林田新二,渡辺二郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2011/05/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る遠藤誉『ネット大国中…

「すばる」7月号・中沢新一「日本の大転換(下)」

晴。 運転免許の更新に、三田洞へ行く。講習の話に、乗車中の震災への対応があった。帰りに自由書房芥見店に寄り、「すばる」7月号を探したがない。文芸誌は置いていないとのこと。仕方がないので、帰宅してからカルコスへ行く。ここにはさすがにあった。 …

こともなし

晴。 ああ、怠惰な一日だった。今はそういう時期だな。 仕事はちょっと忙しい。 明日あさってと、フレッツ光だとネットに繋がらないって本当だろうか。IPアドレス変更の実験らしいが。困るな。 で、明日は早い。

シェイクスピア『ハムレット』

晴。 「3pigs」にて昼食。 シェイクスピア『ハムレット』読了。福田恆存訳。再読は十五年ぶりくらいだろうか。細かいところは忘れていた。前は岩波文庫版だったかなあ。有名な決まり文句がこれほどたくさんあるとは、以前読んだときは気付かなかった。まあ、…

佐藤泰志『黄金の服』/モーム『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』

日曜日。曇。 カルコス。 佐藤泰志『黄金の服』読了。実際に暴力が描かれているかどうかとは別に、佐藤泰志の小説には、暴力的なもの、荒々しいものを感じる。ちょっと中上健次を思わせないでもない。黄金の服 (小学館文庫)作者: 佐藤泰志出版社/メーカー: …

こともなし

晴。 今日は仕事がきつかった。 夜、リヒテルの平均律を二時間くらい聴く。グールドやポリーニの演奏と比べても、情感の深さとスケールの大きさで優っている。この録音の残響の多さを嫌う人もいるようだが、これは意図的なものであり、まさしくこうでなけれ…

小坂井敏晶『人が人を裁くということ』

曇。 小坂井敏晶『人が人を裁くということ』読了。日録に書く。著者についてはこちらも。人が人を裁くということ (岩波新書)作者: 小坂井敏晶出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/02/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 25回この商品を含むブログ (17件)…

久生十蘭『十蘭万華鏡』

雨。 久生十蘭『十蘭万華鏡』読了。「十蘭全短編」とか、どこかの文庫でやってくれないかな。十蘭万華鏡 (河出文庫)作者: 久生十蘭出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/02/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (10件) を見…

岡本太郎の宇宙4『日本の最深部へ』

雨。 岡本太郎の宇宙4『日本の最深部へ』読了。月並な言い草だが、何とも凄いパワーだというしかない。普通なら矛盾と思えるものをたくさん抱え込んでいながら、極めて繊細にしてクリアでもある。滅茶苦茶なことを言っているように見えて、至極論理的。独特…