2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2011年九州家族旅行(第二日)

今日もいい天気。宿からレンタカーで有田へ。九州陶磁文化館。古伊万里などだが、こういう小汚い皿が日本文化なんだよねえ。確かにこれらを見たあとでは、現代の「作家」たちの「作品」が作為的に見えてしまうのは仕方がない。奇妙だ。有田駅前に車を置いて…

2011年九州家族旅行(第一日)

朝五時半起き。名古屋からのぞみで博多へ。三時間半の車中の間に、持参した二冊の文庫本のうち、米原万里の『ガセネッタ&シモネッタ』をはや読み切ってしまう。これは途中で本を調達せねばならないか。 博多着。一泊二日でレンタカーを借りる。九州人は運転…

ボズウェル『サミュエル・ヂョンスン伝(下)』/串田孫一『ギリシア神話』

晴。 ボズウェル『サミュエル・ヂョンスン伝(下)』読了。エドモンド・バークもあちこちに登場。ヂョンスン博士に対するボズウェルの敬愛の念が、かくも膨大な伝記を書かしめたことがよくわかる。サミュエル・ヂョンスン伝(下) (岩波文庫)作者: ボズウェ…

ボズウェル『サミュエル・ヂョンスン伝(中)』

晴。 ボズウェル『サミュエル・ヂョンスン伝(中)』読了。じっくり読む。他愛もない話ばかりだが、人生ってこんなものかも。何でも反対意見をいおうとするヂョンスン博士だけれども、嫌な感じはなくて、却って愛すべき。著者の敬愛の念が、文章ににじみ出て…

ボズウェル『サミュエル・ヂョンスン伝(上)』

日曜日。晴。 ボズウェル『サミュエル・ヂョンスン伝(上)』読了。最初は何がおもしろいのかと思ったけれども、読み進むにつれ段々と味が出てきた。全三巻だが、これでも抄訳。サミュエル・ヂョンスン伝(上) (岩波文庫)作者: ボズウェル,神吉三郎出版社/…

斎藤成也『ダーウィン入門』

晴。 斎藤成也『ダーウィン入門』読了。日録に書く。ダーウィン入門 現代進化学への展望 (ちくま新書)作者: 斎藤成也出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/03/09メディア: 新書購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (10件) を見る

高瀬正仁『ガウスの数論』

曇。 高瀬正仁『ガウスの数論』を読む。分るのか分らぬのか曖昧な中で読み進んでいったのだが、とても刺激的だった。ガウスの数論といえば近代数学の最高峰のひとつで、自分には本当にむずかしかったが、著者の精読・味読を辿っていくのは、小説を読むような…

カラヤンの振るハイドン/佐々木俊尚『キュレーションの時代』/玄侑宗久、有田秀穂『禅と脳』

曇。 イオンの写真屋と本屋。BOOK OFF。 佐々木俊尚『キュレーションの時代』読了。評判通り洵に刺激的な本で、叙述も巧みだが、云ってみれば徹底して表層の話。自分にはネット時代の「無意識」の変化の方が気掛かりだ。また、これだけネットの力が大きくな…

向井敏『表現とは何か』

晴。 向井敏『表現とは何か』読了。浅田彰のいう、「認識論的切断」以前の本である。それだから直ちにいけないという訳ではないのだけれども、平成五年刊というのが驚かれるほど、古臭いことは否めない。またもや山崎正和であり、丸谷才一かと思う。自分は一…

シュティフター『ブリギッタ・森の泉』

曇。 シュティフター『ブリギッタ・森の泉』読了。シュティフターの静謐な世界に感動できてよかった。ちょっと気持ちが楽になってきたらしい。ブリギッタ・森の泉 他1篇 (岩波文庫)作者: シュティフター,宇多五郎,高安国世出版社/メーカー: 岩波書店発売日: …

『柳宗悦コレクション2 もの』/花村榮一『量子光学』

休日。曇。 『柳宗悦コレクション2 もの』読了。柳宗悦コレクション2 もの (全3巻) (ちくま学芸文庫)作者: 柳宗悦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/02/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る花村榮一『量子光学』にざっと目を通す。…

奥本大三郎『楽しき熱帯』

日曜日。曇。 カルコス。BOOK OFFは釣果なし。 奥本大三郎『楽しき熱帯』読了。楽しき熱帯 (講談社学術文庫)作者: 奥本大三郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/03/10メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る安永祖堂を読む。

坂口安吾『白痴』/栗本薫『ヒプノスの回廊』

晴。 坂口安吾『白痴』読了。安吾が戦争から創り上げたような文学を、我々は今回の震災から産み出すことができるだろうか。我々にそれだけの、災厄を転じる力があるか。白痴 (新潮文庫)作者: 坂口安吾出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1949/01/03メディア: 文…

『柳宗悦コレクション1 ひと』

晴。 『柳宗悦コレクション1 ひと』読了。名前は知っていたが、柳宗悦という人が、これほどの本物の巨人だったとは。本書は、自分にもよいきっかけとなった。柳宗悦コレクション1 ひと (ちくま学芸文庫)作者: 柳宗悦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010…

ビューヒナー『ヴォイツェク/ダントンの死/レンツ』/中村真一郎『俳句のたのしみ』

晴。 ビューヒナー『ヴォイツェク/ダントンの死/レンツ』読了。岩淵達治訳。これは凄い。ドイツのゲオルク・ビューヒナー賞というのは、この作家から来ていたのか。無知だなあ。ヴォイツェク ダントンの死 レンツ (岩波文庫)作者: ビューヒナー,Georg B¨uchn…

中村元『原始仏典』/I・ドイッチャー『非ユダヤ人的ユダヤ人』

晴。寒い。 「フルトヴェングラー・ザ・レガシー」航空便にて落手。蜜柑箱より大きい箱に入ってやってきたので、焦った。中身は小さいものだったのでよかったが、中にゴミまで入っていて、何ともヨーロッパだなあと思わされた。はあー。Wilhelm Furtwangler:…

吉田秀和『マーラー』

曇。 大垣。 吉田秀和『マーラー』読了。これが音楽を聴くということなら、自分など殆ど聴いていないに等しい、と思うほど、吉田秀和さんは詳細に聴き、深く楽しんでおられる。また、筆の力も凄い。吉田さんの批評は排泄物のたれ流し*1ではなく、そういう意…

東浩紀『サイバースペースはなぜそう呼ばれるか+』

晴。 プール。アピタ。 ネットに繋がっているのがヴァーチャルなら、テレビの画面もヴァーチャルだと云わねばならぬだろうが、被災者の立場とは比較にならないとはいえ、テレビの画面にうつる地震の帰結の画像が与える衝撃は何なのだろう。これだって、ひと…

『ロラン・バルト 中国旅行ノート』/アリストテレス『哲学のすすめ』/中井久夫『世に棲む患者』

日曜日。晴。 依然としてテレビは地震(東北関東大震災)のニュースで埋まっている。マグニチュードは9・0に変更。テレビを見ていると、自分が被災しているわけでもないのに、事の大変さにこちらまでどうにかなりそうになる。日常を生きるということ。 カ…

『十六夜日記』/古澤明『量子もつれとは何か』

晴。 地震の被害の規模は途方もないというだけで、まだ全貌は見えてこない。報道を見聞きしていると呆然としてしまうので、とりあえず自分は日常を普段と同じように、淡々とこなしていこうとだけ思う。 仕事場にはテレビがないので、USTREAMが流しているNHK…

大澤信亮『神的批評』/東北と関東で巨大地震

晴。 大澤信亮『神的批評』読了。面白い。「食べる」ということと「殺す」「死」ということにこれほど拘るとは、面白い。神的批評作者: 大澤信亮出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/10/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 72回この商品を含むブログ (3…

映画「アレクサンドリア」/柳田国男『野草雑記・野鳥雑記』/田中秀臣氏の谷沢永一追悼文

晴。 名古屋駅前のミッドランドスクエア・シネマで、映画「アレクサンドリア」(原題「アゴラ」)を観る。監督アレハンドロ・アメナーバル。五世紀アレクサンドリアの女性哲学者・科学者ヒュパティア(Wikipedia)の物語。彼女の業績はまったく現代に伝わっ…

ヒックス『経済史の理論』/大栗裕のヴァイオリン協奏曲

晴。 J・R・ヒックス『経済史の理論』読了。原著1969年。経済の発生(贈与、交換、貨幣)についてなど、素人目にも古びたと思われるところもあるが、依然読むに値するだろう。マルクス主義を意図的に遠ざけて書かれた経済史。著者はノーベル賞受賞者である…

福田和也『昭和天皇 第一部』

晴。 福田和也『昭和天皇 第一部』読了。日露戦争以降の歴史は自分には曖昧だったので、ちょうど勉強になった。よく出来た本だと思う。昭和天皇〈第1部〉日露戦争と乃木希典の死 (文春文庫)作者: 福田和也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/02/10メディ…

バルガス=リョサ『緑の家(上)』『(下)』

曇。 プール。アピタとその本屋。 バルガス=リョサ『緑の家(上)』『(下)』読了。実験的な手法を用い、ことなるエピソード、時系列を、段落を変えることすらせずに語るため、とても読みにくかった。苦痛すら覚えながら読んでいたのだが、エピローグに至…

こともなし

日曜日。晴。 マレイ・ペライアの新譜を聴く。日録に書く。ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガアーティスト: ペライア(マレイ)出版社/メーカー: SMJ発売日: 2010/11/24メディア: CD購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る怠…

お口の軽い政治家について

朝日新聞web版 2011年3月3日21時15分

新書版『新約聖書2』/村田次郎『「余剰次元」と逆二乗則の破れ』

晴。 新書版『新約聖書2』読了。やはり「ヨハネの黙示録」が強烈だった。しかし、自分の頭にはサブカルチャーが沁み込んでいて、どうしてもサブカル的な読み方(萩原一至とか)になってしまうことに気がついた。「屠られたような小羊」というのがなかなか重…

山田稔『残光のなかで』

晴。寒い。 山田稔『残光のなかで』読了。静かで澄明な文体。でも、射程は短くない。何となく堀江敏幸を連想したが、これは順序が逆ですね。自分には、堀江以上に好ましい。もっと文庫化されてもおかしくない文章家だと思う。二十年ほど前に出版された、アル…

岩田規久男『デフレと超円高』

晴。寒い。 カルコス。 岩田規久男『デフレと超円高』読了。本書によれば、現在の「超円高」の原因は、日本企業の底力などではなく、デフレのせいだという。その理由は、乱暴に云ってしまえば、デフレで円の価値が上がっていくため、相対的に(ドルよりも)…