2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧
今日も雪。昼過ぎから晴。 島尾敏雄『魚雷艇学生』読了。これが島尾の最後の小説だとは。処女作のように瑞々しい。戦争文学なのに瑞々しいとは変だと思われるかも知れないが、事実である。特攻で遠からぬ死が決まっているとすれば、日常は夢と化す筈ではない…
日曜日。寒いと思ったら、また雪だ。 アンドレ・ヴェイユ『初学者のための整数論』にざっと目を通す。講義ノートなので、骨組みしか書いていない。本文は70頁ほどで、コンパクトにまとまっている。訳者も書いているが、「初学者のための…」というのは、やさ…
晴。 山内進『北の十字軍』読了。本格的な歴史書で、とても面白かった。十二世紀以降、スラブ地方へ向けて、キリスト教への侵略的改宗のために、いわゆる「北の十字軍」が行われていたということは、恥ずかしながら本書で初めて知った。これは中東への「防衛…
晴。 小沼丹『銀色の鈴』読了。滋味が沁み込んでくるような小説。小沼はもっと読んでみたい。銀色の鈴 (講談社文芸文庫)作者: 小沼丹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/12/15メディア: 文庫 クリック: 22回この商品を含むブログ (6件) を見る
晴。 カルコス。 昼から、岐阜県美術館の「三尾公三展」に行ってきた。クールでモダン、なかなか良かったです。写真を意識したであろう、スーパー・リアリズムで描かれた人間の顔及び顔のパーツ(眼など)が特徴で、マグリットをさらにモダンにしたような、…
晴。寒くて時雨。 日本語入力もGoogleのものにする。気に入ったのだが、漢字の入力のための手書きパッドがないのが、そのうち困るかもしれない。必要なら、その時だけ元の日本語入力ツールに戻るしかないだろう。 # カレル・チャペック『こまった人たち』読…
曇。 島田雅彦『佳人の奇遇』読了。島田式エンターテイメント。佳人の奇遇 (講談社文庫)作者: 島田雅彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/01/14メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る#ちょっとフォントを変えて遊んでみました。詳しくは前日…
一部分だけフォントを変えてみる。いろいろ試行錯誤しましたよ。自動改行も一部分だけやめられることがわかった。 まず、自動改行の停止ですが、これは簡単で、日記中の一部分だけやるには、自動改行したくないブロックを「><p>」と「</p><」で囲むだけでできます。…
晴。時雨。 久しぶりにプール。帰りにアピタ各務原店に寄ったのだが、コム・サ・イズムと食べ物屋二件がつぶれていた。ちょっと前にCDショップがなくなったばかりなのに。不景気のせいなのか、またイオンとの競争で厳しいのか。本屋もなくならないか怖れる。…
日曜日。晴。 カルコスとBOOK OFF。合せて本10冊、CD4枚。 田辺元『死の哲学』読了。この岩波文庫の田辺アンソロジー、よかった。非常に難解だったが、思っていたよりずっと面白かった。またいつか読み直そう。死の哲学――田辺元哲学選IV (岩波文庫)作者: 田…
晴。夜雨。 玄侑宗久『慈悲をめぐる心象スケッチ』読了。宮澤賢治も玄侑さんも好きなので、いい読書になった。賢治本をさほどたくさん読んだわけではないが、ここまで仏教(とりわけ法華経)という視点から見た宮澤賢治というのは、あまり他に例がないのでは…
晴。椿が咲き出した。 大澤真幸『「正義」を考える』読了。本書の結論めいたことを云えば、現代においては「普遍性」は失われている、ということである。もちろんこれは、ポストモダンの「『大きな物語』は失われた」というのと同じで、特に目新しい考え方で…
雪のち晴。 久しぶりにカルコス。 ジェイン・オースティン『ノーサンガー・アビー』読了。二百年前のラブコメ、いいではないか。楽しい小説。ノーサンガー・アビー (ちくま文庫)作者: ジェインオースティン,Jane Austen,中野康司出版社/メーカー: 筑摩書房発…
曇。雪ちらつく。 網野善彦と石井進の対談集『米・百姓・天皇』読了。日録に書く。米・百姓・天皇 日本史の虚像のゆくえ (ちくま学芸文庫)作者: 網野善彦,石井進出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/01/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品…
晴。 島田雅彦『ユラリウム/ルナ』読了。めずらしい島田の戯曲。相変わらずの、賞嘆すべき不透明さだ。ユラリウム・ルナ (河出文庫―BUNGEI Collection)作者: 島田雅彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1992/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回こ…
もともと書くつもりはなかったが、この動画を見ているとつぶやかずにはいられない。このフジテレビのアナウンサーたちとコメンテーター、馬鹿か。印象操作しかやろうとしていないし、それ以外はそもそも勉強不足でできない。ひどいレヴェルだな。こういう奴…
ルーズ・ランゴーの「天球の音楽」その他を聴く。ランゴー Rued Langgaard (1893-1952)という作曲家は、今まで聴いたことがなかった。ウィキペディア(参照)に拠ると、デンマークの特異な作曲家らしい。ライナーノートの英語解説には、スクリャービンらと…
起きたらまだ降っている… 岐阜といっても各務原は雪国でないです… テレビでは岐阜の積雪25cmというが、もっとありそうだけれども。 # エリック・ホブズボーム『匪賊の社会史』読了。「匪賊(bandits)」などというものに照明を当てるとは。博識。匪賊の社会…
日曜日。雪! 数センチだが、積っている。 結局一日中降りつづく。終日氷点下。 エウセビオス『教会史(下)』読了。秦剛平による、きわめて重要な翻訳。人名索引、事項索引、聖書引用索引、教会管区一覧、主要教会管区歴代監督、殉教者一覧、異端一覧その他…
曇。 エウセビオス『教会史(上)』読了。秦剛平訳。訳者によれば、本書はヨ−ロッパの教会の歴史を学ぶ場合、アウグスティヌスとならぶ「王将の駒」だという。エウセビオス「教会史」 (上) (講談社学術文庫)作者: 秦剛平出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010…
曇。風花舞う。 ハックスリー『すばらしい新世界』読了。アンチ・ユートピア小説の代表作のひとつ。ほとんど現実化している。すばらしい新世界 (講談社文庫)作者: ハックスリー,Aldous Huxley,松村達雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 1974/11/27メディア: …
晴。地面が霜で真っ白。 佐藤肇『位相幾何』にざっと目を通す。薄っぺらいが中身の濃そうな本。位相幾何作者: 佐藤肇出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/02/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 位相空間論に必要な用語 位相幾何の本に…
晴。 J・シャルダン『ペルシア王スレイマーンの戴冠』読了。スレイマーンは二度目の戴冠式の後の名で、最初に即位したときの名はサフィー二世である。サファーヴィー朝ペルシアの八代目の王(1666-94)。英明な父王に比して、凡庸暗愚であったらしい。ペル…
晴。 大垣。BOOK OFF 21号穂積店。13冊。 ドブロリューボフ『オブローモフ主義とは何か?』読了。ドブロリューボフは二十五歳で亡くなったそうである。オブローモフ主義とは何か?―他一編 (岩波文庫 赤 610-1)作者: ドブロリューボフ,金子幸彦出版社/メーカー…
休日。晴。 中原昌也『待望の短編は忘却の彼方に』読了。笑える。嫌々書いている、というのが、ついに芸になっているな。待望の短篇は忘却の彼方に (河出文庫)作者: 中原昌也出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/01/06メディア: 文庫購入: 2人 クリッ…
日曜日。曇。 家族で毎年恒例の、海津の千代保稲荷(おちょぼさん)へ行く。参道はいろんな店が出て、人でいっぱいだった。鰻を食べて帰る。反対車線は、南濃大橋を越えるまで渋滞していた。 カルコス。9冊。 # 高瀬正仁『高木貞治』読了。日録に書く。高木…
晴。寒い。 塚本邦雄『王朝百首』読了。最近の枕頭の書。王朝百首 (講談社文芸文庫)作者: 塚本邦雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/10メディア: 文庫 クリック: 18回この商品を含むブログ (6件) を見る山口昌男『内田魯庵山脈(下)』読了。やっぱり…
晴。寒い。 山口昌男『内田魯庵山脈(上)』読了。全部読んでから書こうかと思ったが、まあメモ程度に。山口は近代日本の知の最も「良質な」部分として、内田魯庵の周辺の「見えないネットワーク」を称揚し、そういう柔軟な知を「生真面目な」柳田国男らの民…
晴。 この三日間、昼食はCoCo壱番屋ばかり。遠くへ行くのが面倒になっている。 竹内薫と荒野健彦の共著『「透明人間」の作り方』読了。アニメ「攻殻機動隊」に出てくる「光学迷彩」のようなもの(少なくともそれに近いもの)が、実際に造れるようになってき…
曇。霜。夜のうちに霰が降ったらしい。 空き時間に、BOOK OFF岐阜オーキッドパーク店。 堀江敏幸『めぐらし屋』読了。めぐらし屋 (新潮文庫)作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/06/29メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブ…