2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

島田雅彦『ヒコクミン入門』/ギンズブルグ『歴史を逆なでに読む』/池澤夏樹『南の島のティオ』

曇。溽い。 BOOK OFF岐阜オーキッドパーク店。久しぶりに20冊買う。新潮文庫のクローニンは珍しいように思う。 # 島田雅彦『ヒコクミン入門』読了。まことに不透明な散文だ。もちろん、不透明は美徳である。絶えざる移動がもたらした成果に違いない。その滅…

タイモン・スクリーチ『春画』

晴。 タイモン・スクリーチ『春画』読了。日録に書く。春画 片手で読む江戸の絵 (講談社学術文庫)作者: タイモン・スクリーチ,高山宏出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/07/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (8件) を見る# …

こともなし

晴。 ここまで読めなくなったのは久しぶり。まあ、音楽を大量に聴くと、こうなりやすいのだが。ルクーのヴァイオリン・ソナタや、ディーリアスを聴く。ディーリアスは奇跡的だな。

玄侑宗久『御開帳綺譚』

晴。 玄侑宗久『御開帳綺譚』読了。玄侑さんは個人的に好きな小説家だが、表題作はいつもの「お坊さん」物で、この人のものとしては結構平凡だ。「雲雨」という語は初めて知ったけれどもね。でも、「ピュア・スキャット」がいい。アマいといわれようが、こう…

藤田省三セレクション

晴。 『藤田省三セレクション』読了。藤田は自分のレヴェルを超えているのだが、やはりそういうものを読まないとね。藤田をもっと読みたい。それから、市村弘正の解説がまた、読み応えがある。藤田省三セレクション (平凡社ライブラリー)作者: 藤田省三,市村…

こともなし

晴。 市役所。イオンと未来屋書店。 空き時間はずっと寝ていた。何か疲れている。 藤田省三を読む。

原武史『滝山コミューン一九七四』

晴。 カルコス。 原武史『滝山コミューン一九七四』読了。暗くて気持ち悪い話で、読んでいて辟易した。著者が悪いのではないけれどね。滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)作者: 原武史出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/06/15メディア: 文庫 クリック: …

中野茂男『現代数学への道』/佐藤亜有子『ボディ・レンタル』

晴。 中野茂男『現代数学への道』読了。著者は優秀な人なので、却って本書はそれほどわかりやすいとは云えないかもしれない。本書に数学者のタイプとして、幾何型か代数型かという話があるが、自分は(別に数学者でも何でもないけれども)たぶん幾何型なので…

近藤宣昭『冬眠の謎を解く』/『ラング 線形代数学(下)』

晴。 近藤宣昭『冬眠の謎を解く』読了。著者の、冬眠研究の幾度とないブレイクスルーを記した本である。優秀な研究者の考える仕方というのが、よくわかる。まず、闇雲に実験していない。前もってよく考え、どのような結果になっても確実なことが云える実験を…

柄谷行人『世界史の構造』/ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』

晴。もう連日、何という暑さか! 柄谷行人『世界史の構造』読了。日録に書く。世界史の構造 (岩波現代文庫 文芸 323)作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/06/25メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 232回この商品を含むブログ (75件) を見…

中井正一『美学入門』

晴。猛暑。 中井正一『美学入門』読了。半世紀以上前の本だが、いまでも読むに堪える。自分で納得したことしか書いていない本だ。しかし、アヴァンギャルドですら生命を終えてしまったポストモダン的現在を考えると、「美学」もむずかしいところに来ていると…

こともなし

晴。猛暑。 怠惰です。最低レヴェル。なんとなく、すべて新規蒔き直しという感。

ゲーテ地質学論集・気象篇

休日。晴。暑い。 『ゲーテ地質学論集・気象篇』読了。祝・ゲーテ自然科学論集完結! 前にも記したが、洵に素晴しい訳業である。訳者による解説やあとがきも充実している。解説に拠ると、ゲーテは気象的なものに鋭敏で、詩作も天候に大いに作用されたという…

多田富雄『生命の木の下で』

日曜日。晴。 また風邪をひく。エアコンで乾燥するのがいけないのは、わかっているのだが。 多田富雄『生命の木の下で』読了。生命の木の下で (新潮文庫)作者: 多田富雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/04/25メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回こ…

吉村昭『回り灯籠』/東浩紀と宮台真司の対談集/ダマシオ『デカルトの誤り』

晴。梅雨明け。 自由書房EX高島屋店。ヘルダーリンの文庫本を買おうと思ったのだが、ここにもなし。今、そんなにヘルダーリンは人気があるのか? 吉村昭『回り灯籠』読了。エッセイ集。この人はいい作家だな。回り灯籠 (ちくま文庫)作者: 吉村昭出版社/メー…

谷崎潤一郎『卍』

曇。 谷崎潤一郎『卍』読了。…絶句。こういう変態的な話を、高密度の脂の乗り切った筆力で書かれると異様だ。最後の方など、ストーリーは深刻になってくるのだが、自棄くそのようなユーモアすら漂ってくる。卍(まんじ) (新潮文庫)作者: 谷崎潤一郎出版社/メ…

福田和也『人間の器量』

曇。 大垣。BOOK OFF岐阜うさ店。 福田和也『人間の器量』読了。近代日本人を対象にした人物論。とても平易な語り口だが、本書を面白がるには、ある程度の知識が必要かもしれない。現代の日本人が小粒になったというのは、確かにそれはそうだろうな。何かと…

大沼保昭『サハリン棄民』

雨。 大沼保昭『サハリン棄民』読了。太平洋戦争中、サハリンでの強制労働のため、多くの韓国・朝鮮人が「日本人」として連行された。戦後、サハリンに在住していた日本人は内地へ引き上げていったが、韓国・朝鮮人は既に「日本人」でないとして、サハリンに…

高取正男、橋本峰雄『宗教以前』/『ラング 線形代数学(上)』

雨。 高取正男、橋本峰雄『宗教以前』読了。名著ということだが、理論の網の目が粗いようにも感じる。いかにも四十年前の本であり、良かれ悪しかれ現代の学問はもっと精密だと思う。一方で、精密すぎて大きく描けないということもあるだろうが。宗教以前 (ち…

コペルニクス『天体の回転について』/アーサー・ケストラー『真昼の暗黒』

曇。 プール。アピタ。 コペルニクス『天体の回転について』読了。天体の回転について (岩波文庫 青 905-1)作者: コペルニクス,矢島祐利出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1953/05/05メディア: 文庫 クリック: 34回この商品を含むブログ (7件) を見るアーサ…

ジジェク『ポストモダンの共産主義』/種村季弘『雨の日はソファで散歩』

日曜日。雨。 参議院選挙の投票に行く。 スラヴォイ・ジジェク『ポストモダンの共産主義』読了。難解だし、本当にコミュニズムを信じているのかとも思う(ジジェクはそんなに単純ではないか)。でも、刺激的で挑発的だ。社会主義とはちがうのだな。ポストモ…

ゾンバルト『恋愛と贅沢と資本主義』/加藤周一の対談集

晴。 カルコス。 ヴェルナー・ゾンバルト『恋愛と贅沢と資本主義』読了。題からするとトンデモ本の様にも見えるが、そうでもない。ウェブレンと対になって出てくるのは理解できる。恋愛と贅沢と資本主義 (講談社学術文庫)作者: ヴェルナー・ゾンバルト,金森…

こともなし

曇時々雨。 怠惰である。 シュペングラーを読む。 # iPod以降、メディアの音質が悪くなったのは、どういうものだろう。CDが売れないために、まともな音質のCDプレイヤーが減っている。というか、何を買えばいいんだろう。時代が進んだのにクオリティが下が…

藤田省三『精神的考察』/本多久夫『形の生物学』

晴。 皮膚科。 カルコスで文芸誌を立ち読みする。中沢新一と島田雅彦の対談は刺激的だったが、他はどれも言葉が引っかかってこない。空語の羅列に感じられて、索然とする。こちらの勉強不足なのだろうが、勉強すれば空語でなくなるのかね。 藤田省三『精神的…

『ゲーテ地質学論集・鉱物篇』/森銑三『落葉籠(上)』

曇。 『ゲーテ地質学論集・鉱物篇』読了。木村直司氏の編訳に成るゲーテの自然科学論集も、『色彩論』『形態学論集・植物篇』『形態学論集・動物篇』に続いて四冊目となった。続巻として『気象篇』も予定されている。前にも書いたが、ゲーテの自然科学論集を…

米原万理『不実な美女か貞淑な醜女か』

曇。 大垣。 米原万理『不実な美女か貞淑な醜女か』読了。日録に書く。不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)作者: 米原万里出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1997/12/24メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 63回この商品を含むブログ (110件) を見る

ゾンバルト『戦争と資本主義』

晴。 プール。 ヴェルナー・ゾンバルト『戦争と資本主義』読了。戦争と資本主義 (講談社学術文庫)作者: ヴェルナー・ゾンバルト,金森誠也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/06/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 458回この商品を含むブログ (8件) を見…

グリルパルツァー『ウィーンの辻音楽師』

日曜日。晴。 妹一家来訪。 グリルパルツァー『ウィーンの辻音楽師』読了。表題作も「ゼンドミールの修道院」も、他にもありそうな筋書きで、大傑作などというものではないが、それでも心に残る小品だ。ウィーンの辻音楽師 (岩波文庫 赤 423-2)作者: グリル…

四方田犬彦『先生とわたし』

昼過ぎ、物凄い雨だった。 四方田犬彦『先生とわたし』読了。先生とわたし (新潮文庫)作者: 四方田犬彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/06/29メディア: 文庫 クリック: 15回この商品を含むブログ (35件) を見る

シュペングラー『西洋の没落 第1巻』

曇。夜、激しい雷雨。 「恵那」にて昼食。 シュペングラー『西洋の没落 第1巻』読了。壮大な法螺かもしれないのだが、おもしろい。少なくとも科学の咀嚼においては、同時代の先端までいっている。(なお、特にギリシア語の誤植が多いし、固有名詞の表記にも…