2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ブダペストの古本屋』

曇時々雨。 徳永康元『ブダペストの古本屋』読了。本書を読んだせいで、著者の訳したモルナールの『リリオム』が読んでみたくなったため、Amazonで注文する。第二次世界大戦で独ソ戦が勃発し、ハンガリーから中央アジアを横切って帰国するというのには驚いた…

カフカ・セレクションⅠ

曇のち雨。 プール。アピタとその本屋。 『カフカ・セレクションⅠ 時空/認知』読了。カフカは、現代小説の想像力の最深部に、依然として到達している。未だ現役の小説家として読むべき作家だ。本書は編集も、翻訳もいい。知らなかった断片が多く読める。カフ…

レヴィ=ストロース

少し曇っている。暑い。 クロード・レヴィ=ストロース『パロール・ドネ』読了。中沢新一訳。難解だ。これを読み解くには、相当の人類学的知識が必要なのではないか。パロール・ドネ (講談社選書メチエ)作者: レヴィ=ストロース・C,中沢新一出版社/メーカー:…

『オランダ独立史(下)』

晴。 カルコスとBOOK OFF。 フリードリッヒ・シラー『オランダ独立史(下)』(isbn:4003294025)読了。未完成らしいが、さすがにシラーで、読んで面白い史書になっている。特に補遺の「アントウェルペン包囲攻撃」が、ピクチャレスクで精彩を放っている。火…

『オランダ独立史(上)』

晴。 フリードリッヒ・シラー『オランダ独立史(上)』(isbn:4003294017)読了。

『悪魔の手紙』/木村敏

晴。 C.S.ルイス『悪魔の手紙』読了。引退した老練な悪魔が、駆け出しの悪魔に人間を堕落させるためのアドバイスの手紙を送る、という体裁になっているが、「悪」の側からの倫理というのは、読んでいてかなり不思議な感じがした。それにしても、これはキリス…

福田和也『日本の近代(上)』

晴。 福田和也『日本の近代(上)』(isbn:9784106102615)読了。戦争を中心とした日本の近代史で、確かに、こうした歴史=物語の書き方はありうるだろう。著者にしては、あまりイデオロギー臭が前面には出ていないように感じる。

グイン・サーガ127

晴。 大垣。BOOK OFF 21号穂積店。 栗本薫『遠いうねり』読了。遠いうねり―グイン・サーガ〈127〉 (ハヤカワ文庫JA)作者: 栗本薫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/06/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 13回この商品を含むブログ (57件) を見る

『都市の論理』

強い雨。 プール。 藤田弘夫『都市の論理』(isbn:4121011511)読了。都市を、食料という観点から見たところが新鮮だ。「都市は――戦時を除いて――農村よりはるかに飢えにくい」。(p.24)

『悪の華』

曇。 ボードレール『悪の華』読了。安藤元雄訳。悪の華 (集英社文庫)作者: シャルルボードレール,安藤元雄出版社/メーカー: 集英社発売日: 1991/04/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 20回この商品を含むブログ (30件) を見る

中村光夫/『日本神話と古代国家』/平出隆

曇。夜雨。 中村光夫『谷崎潤一郎論』(isbn:4101045038)読了。日録に書く。 直木孝次郎『日本神話と古代国家』(isbn:4061589288)読了。古代史についての手堅い研究。「『天皇陵』偽造の歴史」など、厳しい批判的論文もある。 平出隆『猫の客』読了。絶品…

猪木武徳『戦後世界経済史』

晴。暑い。本当に梅雨入りか? 猪木武徳『戦後世界経済史』(isbn:9784121020000)読了。入魂の書。これは普通の新書の厚さの倍くらいはあるのではないか。内容は素人が簡単に論評できるようなものではないが、たいへんに読みごたえがあるのは確かだ。新書で…

カラヤン

晴。 リヒテルとカラヤンの共演(チャイコフスキー)、グールドとカラヤンの共演(ベートーヴェン)のCDを聴く。カラヤンは毀誉褒貶の激しい人だったが、ここまで磨きぬいた音色でオーケストラを歌わせるのは、彼にしかできないことだった。グールドとの共演…

フロイト伝/ボルヘス『創造者』

晴。 ラッシェル・ベイカー『フロイト』(isbn:4061157833)読了。宮城音弥訳。 自由書房EX高島屋店。 J.L.ボルヘス『創造者』読了。面白いとしか言いようがない。黄帝の王宮をわずか一行、いや一語に読み込んだ詩人の処刑を述べた「王宮の寓話」、王国に等…

『華厳の思想』

晴。驟雨。 鎌田茂雄『華厳の思想』(isbn:4061588273)読了。華厳がこんなに判りやすくてよいのかというほど、判りやすい。しかし、楽々とした、巨匠風のところはある。明恵上人の話が特におもしろかった。

中沢訳のレヴィ=ストロース

晴。夏の日差し。 プール。イオンで靴を購入。未来屋書店。中沢新一訳のレヴィ=ストロース『パロール・ドネ』(isbn:9784062583480)があったので購入。

蛍を見る/佐藤優

晴。 夕方、家族で蛍を見に行く。場所は坂祝の迫間川で、地元の人が(多分)ボランティアで出ていた。意外な人出。午後八時くらい、完全に暗くなった頃から、ちらほら蛍が飛び出す。数匹が川の上空で絡み合う。なかなかいい感じ。しかし、学生の頃、京都の下…

甲野善紀『剣の精神史』/『これならわかるネットワーク』/木田元

曇。 甲野善紀『増補改訂 剣の精神史』読了。副題「無住心剣術の系譜と思想」。日録に書く。剣の精神誌―無住心剣術の系譜と思想 (ちくま学芸文庫)作者: 甲野善紀出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/04/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 23回この商品…

『快読シェイクスピア』

晴。 風邪はなんとか治ってきた。 河合隼雄と松岡和子の対談本『快読シェイクスピア』(isbn:4101252254)読了。

ゴーギャン展

曇。 金山の名古屋ボストン美術館へ、「ゴーギャン展」を観に行く。入館に並ばねばいけないほど混雑していたが、内容は期待はずれ。まだゴーギャンが個性を確立しない頃の絵や、版画が多く、タヒチ時代の絵が殆どなかった。まあ目玉の「我々はどこから来たの…

ル・クレジオ『大洪水』/河合隼雄

曇時々雨。夜、強い雨。 ル・クレジオ『大洪水』読了。意味があるのかないのか判らないような文章を次々と読んでいると、次第に廃墟のような荒んだイメージが浮かんでくる。現代の西洋の到達点は、このような廃墟にあるのかも知れない。特にプロローグとエピ…

『アニメ文化外交』

曇。 櫻井孝昌『アニメ文化外交』(isbn:9784480064875)読了。日本のアニメやマンガが世界中で受けているのはわかった。驚くべきことである、このことをもっと知ってほしい、というのが、本書の半ば以上である。しかし、これを外交の道具に使うというのは、…

『シュルレアリスム絵画と日本』/森亮『ヘリック詩鈔』

晴。 プールの後、ラーメン「やまと」で昼食。前は塩だったので、今度は醤油そば630円。バランスが取れていて、おいしい。もっと食べたかったくらい。 カルコス。 速水豊『シュルレアリスム絵画と日本』(isbn:9784140911358)読了。日録に書く。 森亮の訳に…

ボワロー『詩法』

晴。 ボワロー『詩法』読了。ボワローは日本ではあまり知られているとは言えないが、十七世紀フランスの古典派詩人である。七五調の韻文訳ということで、交通標語のようになっていないかとちょっと危惧したが、杞憂だった。軽妙で格調高い訳である。古典好き…

ガスケ『セザンヌ』/大塚久雄『国民経済』

晴。 ガスケ『セザンヌ』読了。第二部の対話篇、セザンヌの饒舌。イデアが見えそうなのに、そこに到達しない(実際、イデアに到達することなど、不可能に決っている)セザンヌの苦闘。革命家であったのに、自称「古典主義者」のセザンヌ。バルザックの『絶対…

澁澤龍彦

雨。 『澁澤龍彦映画論集成』読了。文庫本既出が結構ある。テーマ物なので、初出が記載されているとよかった。澁澤龍彦映画論集成 (河出文庫 し 1-53)作者: 澁澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/05/30メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 3回…

岩本素白/クルーグマン

曇。 「恵那」にて昼食。 岩本素白『東海道品川宿』読了。最近、素白の復権が著しいので読んでみた。東海道品川宿―岩本素白随筆集 (ウェッジ文庫)作者: 岩本素白,来嶋靖生出版社/メーカー: ウェッジ発売日: 2007/12/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 48…

鶴見俊輔と上坂冬子

曇。 鶴見俊輔と上坂冬子の対談本『対論・異色昭和史』(isbn:9784569705736)読了。この本は極東ブログさんのところで知り、一読して大変おもしろかった。内容については、同ブログ(こちら)を見られたい。

町田康『供花』

晴。 町田康の第一詩集『供花』読了。福田和也による文庫解説が気になる。福田はこの詩集の「詩」と、町田のパンク歌手としての「詞」に注目して、フランス詩などの例を参照しつつ、博識で鋭い批評を展開している。さすがと云える力量を見せつけているのだが…

中村哲『アフガニスタンの診療所から』

晴。 プールとアピタ。 中村哲『アフガニスタンの診療所から』読了。とても感動もしたが、それは措こう。「国際協力」とか「難民支援」とかが、書類上の満足(まさしく机上の空論)に終るという偽善の多さ。大量の金がどこかへ消えてしまう分だけ、何もしな…