2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『曲面の幾何』/『バカヤロー経済学』

曇のち晴。夜は肌寒い。 砂田利一『曲面の幾何』に目を通す。第一章は、三次元空間に埋め込まれた二次元曲面についての、具体的な曲面の微分幾何学。第二章は、位相空間論。第三章は、以上を踏まえた、多様体論。最初の章で、具体的にイメージしやすい二次元…

『系統樹思考の世界』/『魔の山』

曇のち晴。 三中信宏『系統樹思考の世界』(isbn:4061498495)読了。系統樹の最適化という考え方が面白い。与えられた「種」を説明する系統樹は、必ずしも一通りではないというのだ。(だから、生物種の系統図も、これしかありえないというものではなくなる…

玄侑宗久

晴。 写真屋。 玄侑宗久『アミターバ――無量光明』読了。日録に書く。アミターバ―無量光明 (新潮文庫)作者: 玄侑宗久出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/04/25メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (13件) を見る

『プルードン・セレクション』/泉鏡花/福田和也

雨のち曇。夜雨。 散髪。 『プルードン・セレクション』読了。アナーキズム。プルードン・セレクション (平凡社ライブラリー)作者: プルードン,河野健二出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/05/12メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 8回…

栗本薫死去

曇。夜、俄雨。 昼のテレビ・ニュースで、栗本薫の死去を知る。享年五十六。グイン・サーガのシリーズはとうとう未完に終ったな。最近はやや惰性的に読んでいたが、しかし二十年以上の付合いではあった。百巻を超えてなお、物語はようやく佳境という、とんで…

『絵の言葉』

晴。 大垣。 小松左京、高階秀爾『絵の言葉』読了。どうでもいいことだが、日本などと比べて、西洋の絵画に雨の絵が極端に少ないというのは、不思議な話ではないか。実際、確かにそうなのだが。日本画の雨は想像で描くわけだが、西洋の絵画は、雨の日はキャ…

玄侑宗久『中陰の花』

晴。暑い。 プールとアピタ。 玄侑宗久『中陰の花』読了。河合隼雄の的確な解説にある通り、著者は「現代に生きる仏僧」として、努力している人である。今だって偉い僧侶は少なからず存在するだろうが、同時代に向けて積極的に関っている人となると、これは…

『キリストの身体』

曇。 岡田温司『キリストの身体』(isbn:9784121019981)読了。副題「血と肉と愛の傷」。こんな本を読んでいると、キリスト教のナンセンスとグロテスクを感じずにはいられない。聖体パンはキリストの肉であり、ワインは彼の血である、というのはまだいいにし…

仲正昌樹

晴。 カルコス。 仲正昌樹『今こそアーレントを読み直す』(isbn:9784062879965)読了。日録に書く。

三島由紀夫『サド侯爵夫人』

雨。肌寒い。 三島由紀夫『サド侯爵夫人/わが友ヒットラー』読了。戯曲二篇。「わが友ヒットラー」も水準以上の出来だろうが、「サド侯爵夫人」の傑作ぶりには及ばない。あれほどサドに尽したルネ夫人の「回心」の理由を、サドの『ジュスティーヌ』を読んだ…

鹿島茂『吉本隆明1968』

曇。 「恵那」で昼食。 鹿島茂『吉本隆明1968』(isbn:9784582854596)読了。日録に書く。書かなかったことで、ちょっと気になるところがあったので、引用しておく。 現在、日本のアカデミズムでは、学生確保のために、研究領域を、日本の漫画、アニメ、映画…

『詩の朗読会』

晴。 『詩の朗読会 フランス編』(isbn:4309462391)読了。

玄侑宗久

曇。 玄侑宗久『水の舳先』読了。短く日録に書く。水の舳先 (新潮文庫)作者: 玄侑宗久出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/03/02メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (10件) を見る

山本義隆

晴。また暑くなった。 プール。アピタとその本屋。 山本義隆『熱学思想の史的展開1』読了。素晴しく面白い。現代の熱概念に至るまで、いかに試行錯誤があったかを丁寧に解明していく過程が、スリリングだ。それにしても、熱学については多少の知識くらいあ…

E.T.A.ホフマン

雨。 E.T.A.ホフマン『黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ』(isbn:9784334751777)読了。日録に書く。

四手井綱英

雨。 四手井綱英『もりやはやし』読了。原本は四十年近くも前のものであるが、今でも充分読める。思えば学生の頃、生態学の基礎的な本を読んでみようとして、著者の『森の生態学』や『下鴨神社 糺の森』(isbn:4888482055)の頁を繰ったものだが、今考えると…

中華「龍園」/『正社員が没落する』

晴。 岐阜市琴塚の中華料理「龍園」にて昼食。チャーハン(480円)+焼き餃子(350円)。餃子はなかなか美味しい。チャーハンもまずまずで量もある。 map:x136.813136y35.419548:map:h200 堤未果、湯浅誠『正社員が没落する』(isbn:9784047101791)読了。ま…

『東方の驚異』/ジョン・ケージ/隈研吾

晴。涼しい。いや、夜は寒いくらい。 『西洋中世奇譚集成 東方の驚異』読了。池上俊一の翻訳による、mirabilia(驚異譚)第二巻。シリーズ化されるらしく、奇特なことである(拍手!)。本書の所収は「アレクサンドロス大王からアリストテレス宛の手紙」、そ…

アレクサンドリア四重奏

晴。夜は少し肌寒い。 ロレンス・ダレル『アレクサンドリア四重奏Ⅳ クレア』(isbn:9784309623047)読了。これでようやく全巻を読み終えた。もちろん傑作。短く日録に書く。 自由書房EX高島屋店。

安部公房『砂の女』

晴。夕方、雨。 安部公房『砂の女』(isbn:410112115X)読了。本書は既に古典だろう。ここでの「砂」は何かのメタファーだろうか、などと考えたくなるような魅力がある。

馬鹿馬鹿しいといったらないが、衝動的につい書く

小沢一郎が民主党代表を退くという報道に、「ついにか…」という感を拭えない。NHKのニュース7の街頭インタビューでは、「辞任は当然」という声が多いように編集してあったが、本当にみんな、小沢の秘書逮捕劇は検察のでっちあげではないと思っているのだろ…

『「この人、痴漢!」と言われたら』

晴。夏の暑さ。 カルコス。 粟野仁雄『「この人、痴漢!」と言われたら』(isbn:9784121503169)読了。副題「冤罪はある日突然あなたを襲う」。日録に書く。

何となくやるベクトル解析

晴。 山内恭彦『物理数学』(asin:B000JAICZQ)を読んでいたら、判りにくいところがあったので、安達忠次の『ベクトルとテンソル』(isbn:4563003069)で復習。ベクトル解析って、あらためて学んでみると美しい。しかし、四次元のベクトルの回転(Rotation)…

福岡伸一『できそこないの男たち』

晴。 福岡伸一『できそこないの男たち』(isbn:9784334034740)読了。本書の主題である、「生命の基本仕様は女で、男はそれをカスタマイズしたものに過ぎない」というのは、別に新しい発見でも何でもないが、著者のいつもながらの話術の妙で読ませる。個人的…

『ブナの森と生きる』

晴。 北村昌美『ブナの森と生きる』(isbn:4569601154)読了。森林学というのか、敢ていえば理系の専門家だが、文化史的な記述も立派だ。だいたい、文体が好ましい。照葉樹林帯文化に対するブナ帯文化は、ほぼ東北地方に重なり、豊富な木の実・山菜の利用、…

赤坂憲雄/浅見淵

雨。 赤坂憲雄『東北学/忘れられた東北』(isbn:9784062919326)読了。センチメンタルな歴史‐民俗学。「米を作るものが日本人」という、柳田国男的テーゼに対する批判。東北を中央からのまなざしで見る、芭蕉の『奥の細道』批判。仏教以前ということ。 浅見…

中村雄二郎

雨。 カルコス。 中村雄二郎『現代情念論』(isbn:4061591398)読了。マイナーではあるが、手作業で少しずつ築き上げてきたところが共感できる。チェーホフを多く思索の材料としているのは、哲学者としては変っていて面白い。

『自己組織化とは何か』/見田宗介

曇。 『自己組織化とは何か 第2版』(isbn:9784062576352)読了。久しぶりにブルーバックスを読んでみたが、竹内薫さんも述べているように、学者の書いた科学書はサービス精神に乏しい。はっきり云って、文章も下手だ。もっとサイエンス・ライターに書かせ…

ケインズ

曇。 ケインズ『貨幣改革論・若き日の信条』(isbn:4121600843)読了。

幸田文

晴。 甥っ子たちの相手。 幸田文『動物のぞき』(isbn:4101116105)読了。何と内容を説明したらよいか分からないような本だが、とにかく、著者の才能が溢れているというほかない。動物に対しても、また動物園の飼育係の人たちに対しても、共感する力でいっぱ…