こともなし

晴。
だいぶ横につぶれた平行四辺形の三頂点を通る円の夢を見る。どうやら向こう側へ突き抜けた夢っぽい。起きてすっきりした気分。

NML で音楽を聴く。■モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第三番 K.216 で、ヴァイオリンはヴィクトリア・ムローヴァ、エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団NML)。

■バッハのフルート・ソナタ ハ長調 BWV1033、ホ短調 BWV1034 で、フルートはオーレル・ニコレ、チェロは Johannes Finkチェンバロカール・リヒターNML)。よい。

シューマンの「謝肉祭」 op.9 で、ピアノは内田光子NML)。すばらしい演奏だった。内田光子のロマン派の演奏は、もちろん楽譜は緻密に読んでいるのだろうけれど、好きに弾いている感じがしてそれがいい。内田の「ダヴィッド同盟舞曲集」の録音はあるのかな(追記:あるみたいだ)。なお、ここでは Sphinxes が演奏されている。
シューマン:クライスレリアーナ、謝肉祭

シューマン:クライスレリアーナ、謝肉祭

  • アーティスト:内田光子
  • 発売日: 2017/01/25
  • メディア: CD
 
かかりつけ医。スーパー。
時雨れる。車外は4℃で、寒い。


岩波文庫の『盤珪禅師語録』を読む。鈴木大拙編校。初版は昭和十六年で、わたしがネット古書で買ったのは昭和四十一年第四刷、グラシン紙で巻いてあり、まだ後年のカバーはない。星三つ*1。丹い蔵書印が押してあり、最初の方にはところどころ傍線が引いてある。盤珪禅師は「仏心は不生にて霊明である」と繰り返すが、その「不生」というのがなかなかにむずかしい。「生じることもなければ、滅することもない」ということで、つまり仏心は誰にも生まれつき備わっているということらしい。だから、そのことに気づきさえすればよいのだし、それはむずかしいことではないと繰り返し語られるのであるが、やっぱり凡夫にはなかなか大変である。とかいうと、禅師に「凡夫などはいない、仏心は不生なのだから」と論破というか、叱られてしまうんだけれどね。
 ネットで見ると、盤珪禅師は一冊の本も書かなかったし、説法を書き記すことも許さなかったというが、それでも語録が後世に伝わってしまうのが本物ということだろうか。ありがたい本であることじゃ。

盤珪禅師語録 (岩波文庫 青 313-1)

盤珪禅師語録 (岩波文庫 青 313-1)

  • 作者:永琢
  • 発売日: 1987/09/01
  • メディア: 文庫
 
今日は一段と寒いな。雪が降るという予報だったが、さすがに降らなかったけれども。

*1:追記。岩波文庫の「星」というのは、いまではわからない人も多いだろうな。