ジェラール・ド・ネルヴァル『火の娘たち』

雨。
早寝早起き。

NML で音楽を聴く。■バッハのチェンバロ協奏曲 ホ長調 BWV1053 で、チェンバロはフランチェスコ・コルティ、イル・ポモ・ドーロ(NMLCD)。シチリアーノはさすがにテンポが速すぎて面食らったが、それでも悪くない演奏だなと思い直した。躍動感があって、なかなかよいチェンバリスト。■バルトークのヴァイオリンとピアノのための狂詩曲第二番で、ヴァイオリンはマイア・カベザ、ピアノはゾルターン・フェヘールヴァーリ(NMLCD)。一貫性があってよいアルバムだった。まだ無名のヴァイオリニストなのかな? ぐぐってみると、今井信子さんとよく共演しているらしい。1992年生まれというから、若いな。

モーツァルトのピアノ協奏曲第二十二番 K.482 で、ピアノはスヴャトスラフ・リヒテル、指揮はベンジャミン・ブリテン、イギリス室内管弦楽団NML)。リヒテルらしい、そっけないくらい誇張のない演奏だ。しかし何気ない passage にハッとさせられ、感銘を覚えたりする。わたしは若い頃からリヒテルは好きだったのだが、やはりその頃はよくわかっていなかったのかも知れないなと思う。いまだってよくわかっているというわけではないけれど。ブリテンの伴奏がまたさすがだ。

4 Piano Concertos

4 Piano Concertos

 
母診察。まあ予想通りで、すごくよく治っているということもないけれど、少しづつはよくなっている感じか。まだまだです。苦労したところはもう問題なさそうで、こちらはよく治った。
病院はさすがに人が少なかったらしい。お陰で待つ時間が短かったとのこと。
近くの処方箋薬局へ。前線の通過があったのか、すごい降りになった。

昼前、新しい二槽式洗濯機がやってきた。
昼食後に老母がさっそく洗濯してみる。


■バッハのゴルトベルク変奏曲 BWV988 で、ピアノはピ=シェン・チェン(NML)。まずは引き締まった美しい音が印象的。素直な演奏で、素直すぎてちょっと退屈かもと思ったのだが、その奇を衒ったところのまったくない、誠実で清潔な演奏を聴いているうち、これはこれでよいのだとわかった。録音は1985年で、もう35年も前なのか。ブーレーズをバリバリ弾いていたので若手かと思っていたら、そうではないのだな。なお、同曲の2001年の再録音もあり、これも NML で聴ける。

アルヴォ・ペルトの「マニフィカト」、「今こそ主よ、僕を去らせたまわん(ヌンク・ディミッティス)」で、指揮はグラハム・ロス、ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊NMLCD)。NML では指揮者はグレアム・ロスとあるけれど、たぶんグラハム・ロスの間違い。■ショパンのピアノ・ソナタ第二番 op.35 で、ピアノはヴィルヘルム・バックハウスNMLCD)。これは…、何という辛口のショパン。ごつごつしていて、ザハリッヒで、まったくショパンのイメージとちがう。そして、辛口の音の美しいこと。第三楽章の葬送行進曲など、鳥肌が立つくらいだ。いまではこんな演奏はあり得ない。いや、かつてだって他にはあり得なかった。びっくりさせられる。


ジェラール・ド・ネルヴァル『火の娘たち』読了。野崎歓訳。なかなかおもしろいものもあったのだが、さてさて、文学研究というやつは何なのかね。わたしは怠惰で低級な読者なので、むずかしいというか面倒というか、訳者解説には恐れ入ってしまった。そこまで研究して、いったい何なのという感じ。もっともこれは、怠惰で低級なわたくしが悪い。ただ読んでおもれーとか下らんとか言っているだけだからね。まあ、他の読者は当然もっと高級な人ばかりだと思う。

火の娘たち (岩波文庫)

火の娘たち (岩波文庫)

わたしはネルヴァルは結構通俗というか、意外とエンタメだと思うのだが、いまのエンタメだってこういうのの末裔でしょ? そういうところがなくなっては、つまらないと思う。まあ、通俗だけでもつまらないのだけれど、高級ぶりばかり喧伝されてもね。

ネットや報道を見ていたら頭が混乱してきたので、というか違和感がひどいので、自分のために整理してみる。

  1. 確かに経済への対策は非常に重要。でも、オーバーシュートを防ぐのがまず第一なのではないの?
  2. オーバーシュートを防ぐため、人同士の接触を八割減らすべきというのは、もちろんわたしにその真偽は判定できないが、いろいろ調べてみると信用してよいよう。でも、報道を見ると、このままではとても達成できない。それは、皆んなの意識が低いためではなくて、このままでは食べていけないから、已むを得ず働いている。テレワーク可能なのはほんの一部の人たち。だから一分一秒でも早く包括的な休業補償を発表して、あとは感染が拡大している大都市は強制的に外出禁止にするしかもう方法はない。それすら既に遅すぎるのではないかと勝手に懸念している。しかし、休業補償は某議員たちの「働かざるもの食うべからず」の大合唱で潰されたそうで、いまだにフェイクニュースじゃないかと、ちょっと信じられない。財源とか言っている人は、きちんと経済を勉強して欲しい。
  3. 治療方法はいまだに存在しない。(人工呼吸器とか人工心肺装置とかは対処療法。)だから、感染者を特定して隔離する以外、方法はない。そのためには、大規模かつ迅速なPCR検査体制を構築するしかない。なぜこれがわからないのか。

と自分は理解しているのだが、何かまちがっていますかねえ。予感としては、このままではとてもオーバーシュートは防げない気がしている…。というか、このままではオーバーシュートが発生してるかどうかさえ、わからない。
そんなことクズが心配してどうすんだと言われたら、そのとおりと返すしかないのだが。

※参考
https://shard.toriaez.jp/q1541/4.pdf