ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』 / 安藤礼二『吉本隆明』

晴。
よく寝た。

NML で音楽を聴く。■バッハのフランス組曲第二番 BWV813 で、ピアノはアレクサンドラ・パパステファノウ(NMLCD)。よい。■スカルラッティソナタ K.56, K.57, K.58, K.59, K.60 で、チェンバロスコット・ロスNML)。スコット・ロスのバッハ全集が時間がなくて録音できなかったのは痛恨だが、よく考えてみればバッハの名盤はたくさんあるので、スカルラッティの全集が残されたのは我々にとって僥倖だと思わねばなるまい。■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第四番 op.18-4 で、演奏はミロ・クァルテット(NMLCD)。よい。この曲、昔から好きだ。■ブラームスピアノ五重奏曲 op.34 で、ピアノはピーター・ゼルキン、グァルネリ四重奏団(NML)。グァルネリ四重奏団とピーター・ゼルキン、いいコンビだな。特に第二楽章と第三楽章がよかったかな。ひさしぶりに満足できる、ブラームス室内楽の演奏。しかし、ピーター・ゼルキンっていいピアニストだな。

ヘンツェ、ブラームス:ピアノ五重奏曲

ヘンツェ、ブラームス:ピアノ五重奏曲

  • アーティスト:ゼルキン(ピーター)
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1999/04/22
  • メディア: CD

昼から図書館。
 
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ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。ポン・デ・シュガーボール+エンゼルクリームボール+ブレンドコーヒー351円。図書館から借りてきた、ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』読了。短篇集。もったいなかったので、わたしとしてはじつにゆっくり読んだ。(つまらなかったからダラダラ読んだわけではありません。)ルシア・ベルリンの語り口(訳者は「声」と書いていた)がじつにカッコよかった。ぶっきらぼうだけれども、心を抉る。泣くための本ではないと思うけれど、感傷的なわたしには胸を突かれる短編が多かった。そのせいでさっさと読めなかったところもある。ほとんどの短編が彼女の実生活から題材を採られていて、たいへんな生涯だったと思うけれど、そういう人生だったとしてここまでの小説に落とし込めるというのは、もちろん誰にでもできることではない。さて、何がいいたいか自分にもよくわからないので、とにかく魅力的な短篇集だった。そのうち文庫化されるだろうから、その際は再読を楽しみにしたい。やっぱりアメリカすごいな。

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

わたしには翻訳のことはよくわからないけれど、とてもよい日本語になっていると思う。よく訳したなという感じ。他の短編もこの訳で読みたい。

カルコスに寄る。安藤礼二氏の吉本本を買う。

サブ機の Ubuntu 19.04 を 19.10 にアップグレードする。不具合が出たので Unity でログインする。
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Windows 10 のアップデートもしたが、いったい何時間かかったことか。何でこんなに遅いの?

そういや Linux Mint 上の Chromeデベロッパーツールを使うとメモリリークする不具合がずっとあったのだが、いつの間にか改善されていたな。何か以前は余分なプロセスが起動していてそれが原因でメモリリークしていたようだが、そのプロセスもなくなったみたい。

安藤礼二吉本隆明』読了。副題「思想家にとって戦争とは何か」。安藤氏の本は、氏がデヴューしてしばらくまではよく読んでいたが、ある時期からはあまり読まなくなった。たまたまわたしとほぼ同年の生まれの人であるが、とてもわたしとは比較にならない大きな膂力をもった方である。氏が吉本さんを扱ったということで本書を読んでみたが、何と氏にとって吉本さんは核のような人であり、初めて読んだのは中学生のとき、それも文庫本の『共同幻想論』『言語にとって美とはなにか』『心的現象論序説』の三書であったというから驚かされる。ゆえに読解には年季が入っていて、到底わたしのごとき幼稚な読み方ではない。本書は比較的薄い本であるが、正直言ってわたしにはよくわからなかった。氏に比べたら、わたしはそもそも吉本さんのテクストの絶対量を読んでいないのである。だから、本書については何も言う資格がない。ただ、わたしにとっての吉本さんは、本書にはまったく存在しない。たぶん、わたしはまったく読めていないのだろう。まあ、それがわたしの実力だ。残念である。

吉本隆明: 思想家にとって戦争とは何か (シリーズ・戦後思想のエッセンス)

吉本隆明: 思想家にとって戦争とは何か (シリーズ・戦後思想のエッセンス)

  • 作者:安藤 礼二
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2019/11/25
  • メディア: 単行本