ジョルジョ・アガンベン『事物のしるし』

曇。涼しい。
よく寝た。

ジョルジョ・アガンベン『事物のしるし』読了。

電気工事屋さん来訪。部屋の照明器具を取り付けてもらう。すごく簡単だったのだけれど、やはり自分ではわからなかったなあと。


荻原魚雷さんのブログを読んでいたら、開高健の『白いページ』を読む話が出てきた。わたしはこの『白いページ』(角川文庫版、全三冊)で開高健にめぐり合ったので、とてもなつかしかった。いまでも覚えているが、名古屋の町の小さな書店で、題名に惹かれて文庫本を手に取って開いてみたところ、活字が立ち上がってきたのである。この「活字がむくむくと立ち上がってくる」というのは、開高のよく使う表現だが、まさにこれであった。それはわたしの十代の最後、一年間だけ名古屋で一人暮らしをしていたときで、その本屋の佇まいはいまでも記憶に残っているが、まったくふつうの町の本屋だった。もちろんいまではその書店はない筈である。あの一年間のことは、思い出すだになつかしい。充実した楽しい日々だったが、既に何となく悲しみに染められた記憶になっている。わたしは本当に若かった。

ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。もっちりフルーツスティック シナモン+ブレンドコーヒー418円。石牟礼道子さんの続き。紀行文集であるが、身につまされすぎて読むのがつらい。あんまりつらいので、読むのをやめようかと思ったくらい。まあしかし、これをイオンモールのフードコートなんぞで読んでいるわたしの矛盾を思わざるを得ない。いや、そこだからこそ、余計に身につまされるのかも知れないが。

落ちた柿の実を集めて処分。落ちて腐るくらいなので、樹に生っているのを採ってみたら、もうおいしく食べられた。今年はかなり生っている。

神坂次郎の続き。一度に少しづつしか読めない。

NML で音楽を聴く。■バッハのソナタ ニ短調 BWV964 で、ピアノは野平一郎(NMLCD)。周知のごとく、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第二番のバッハ自身による編曲。■イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第二番 op.27-2 で、ヴァイオリンはノエ・乾(NMLCD)。すばらしいのだが、何で「怒りの日」が全篇に織り込まれているのだろうね。別によいのだけれど、「怒りの日」が使われている曲はこれまでありすぎるほどあるので、ちょっと陳腐にも聴こえてしまう。いや、イザイ、いいんですよすごく。バッハも織り込まれている。

マーラー交響曲第四番で、ソプラノは森麻季、指揮はエリアフ・インバル東京都交響楽団NML)。全体として疑いなく名演であるし、特に第一楽章と第三楽章に感銘を受けた。この曲は本来天上的に澄み切った、牧歌的な曲といっていいと思うが、第一、第三楽章では切迫した、熱量の多い感動的な演奏になっている。もちろん、それを好まない人もいるだろうが、わたしは感動してしまったので仕方がない。インバルと都響には脱帽である。これまであまたの名演のある曲であるし、これからもすばらしい演奏が現れるであろうが、この録音の価値が失われることはないと思っている。

マーラー:交響曲第4番

マーラー:交響曲第4番