マルセー・ルドゥレダ『ダイヤモンド広場』

昧爽起床。涼しい。

暗い部屋で寝転がりながらいろいろ考えるともなく考えていた。ぼーっとしているときは冥いこととか一切思わないのだが。
本を読んでいると、あるいはネットを見ていると、世の中秀才ばかりで困るという感じ。まあ秀才の本はあまり読まないようにはしているのだけれど。


マルセー・ルドゥレダ『ダイヤモンド広場』読了。かなしい小説だった。「スペイン内戦に翻弄される女性の至上の愛の物語」とか、惹句的に語るとよいのだろうけれども、わたしは非常に単純に、エンタメのように読んだという不届き者である。確かに最後ヒロインはシンプルな幸せを得るが、自分にはほとんどハッピーエンドとは思えない。自分はエンタメはハッピーエンドでないといけないという、三島由紀夫と同じ考え方の持ち主なので、つらい小説だった。もちろん、本書をエンタメと見做すのはわかっていない証拠であろう。ごめんなさい。

ダイヤモンド広場 (岩波文庫)

ダイヤモンド広場 (岩波文庫)

惹句によると、本書は「現代カタルーニャ文学の至宝」なのだそうである。