若松英輔『言葉の羅針盤』 / 「改善か信仰か ~ 激動チベット 3年の記録」を観る

晴。
昨晩は遅くまで起きていたので寝坊。

NML で音楽を聴く。■モーツァルトのピアノ・ソナタ第十二番 K.332 で、ピアノはレオン・マッコウリー(NMLCD)。
 
モスバーガーのドライブスルーにて昼食。

昼寝。

残暑がきびしい。
夕方、ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。エンゼルクリームボール+ポン・デ・シュガーボール+ブレンドコーヒー344円。図書館から借りてきた、若松英輔『言葉の羅針盤』読了。あいかわらず若松は高く立派だ。わたしは己の卑小さ、冥さを思い知る。確かに、己を知るということはよいことの筈だ。そして、卑小で冥いわたしも、やはり生きていてよい筈だとも思うのである。皆んなが皆んな、高くて立派であるということはない。いずれにせよ、本書はよい本の筈である。人生に行き詰まったときなど、読むとよいかも知れない。

言葉の羅針盤

言葉の羅針盤

 
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第四番 op.7 で、ピアノはスティーヴン・コヴァセヴィチ(NMLCD)。ベートーヴェンが好きなわたくし。コヴァセヴィチはすばらしい。ほんとによい演奏。■アントニオ・ソレールソナタ第二十一番、第八十四番で、ピアノはダヴィデ・カバッシ(NMLCD)。アントニオ・ソレールはもっと聴かれてよいのではないかな。スカルラッティが好きな人には特に。

ラフマニノフの練習曲集「音の絵」 op.39 で、ピアノは胡瀞云(フー・チンユー)(NML)。Études-tableaux、むちゃむちゃカッコええやん。満足。しかし、「音の絵」ってなんだろうね。「絵画的練習曲集」みたいな感じ?

Rachmaninoff & J.S. Bach: Piano Works

Rachmaninoff & J.S. Bach: Piano Works

フー・チンユーってピアニスト、女性なのか。ジャケ写がキリッとしているので男性かと思った。■ラフマニノフのピアノ・ソナタ第二番 op.36 (1931年改訂版)で、ピアノは胡瀞云(フー・チンユー)(NML)。これはまたあざやかな演奏だな。フー・チンユー、何者? (追記:検索してみても、日本語では何も出てこない。英語版 Wikipedia などによると、1982年生まれの台湾出身のピアニストで、既にいくつかのコンクールで優勝しているらしい。)■細川俊夫弦楽四重奏曲第二番「原像」で、演奏はアルディッティ弦楽四重奏団NMLCD)。


録画しておいた NHK の「改善か信仰か ~ 激動チベット 3年の記録」を見る。前後編あわせて二時間ほどの大作だった。
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非常に悲しいドキュメンタリーだった。中国共産党チベットを「改善」する。チベットの子供たちからチベット語を奪い、中国語を教える。聖地から仏僧を追い出し、観光地化する。それにしても、まさか高速道路を引き、空港を造り、観光地化するとは、徹底的に考え抜かれている。「鳥葬」まで観光の対象になっているとは。また、ある聖地などは、世界遺産への登録を目指すというのだ。しかし思ったが、日本中をテーマパーク化し、「観光客の哲学」を唱える我々も、同じ穴の貉ではないか。これは必ずしも東浩紀批判ではない(同時に、でもあるが)。東さんは、現代日本(あるいは世界)に「適応」しているだけだともいえる。それにしても、本当に悲しかった。貧困が撲滅され、1000年以上続いた伝統的な生活が破壊されつつあるが、それはまさに我々の既に通ってきた道に他ならない。

わたしは思うが、我々の「内面」までが管理可能な現在、我々の脱出路はその 99.99% までがいまや閉ざされているのである。若い人たち(だけではないが)を見ているとそのことを痛感する。わたしが中沢さんを重要視せざるを得ないのは、一見そのようなことと関係がないようでいて、現在有効かも知れないほとんど唯一の仕事をなさっているからだ。まあそんなことを言っても、伝わらないのはわかっているのだけれど。