現代詩文庫『白石かずこ詩集』

晴。暑くなりそう。
昨晩比較的遅くまで起きていたので眠い。

午前中、甥っ子の勉強を見る。
昼食を食べて、さらに一時間ほど今度はおじいに見てもらうことになった。大変ですなあ。

蝉時雨がすごい。こちらの鼓膜が破れそうなくらい。緑ではなくて透明なブルーのアゲハチョウがすごくきれい。これはあんまりいない。ふつうのアゲハチョウはよく飛んでいる。


NML で音楽を聴く。■モーツァルトのフルート協奏曲第二番 K.314 で、フルートと指揮はクルト・レーデル、モーツァルト管弦楽団NMLCD)。■ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第十番 op.14-2 で、ピアノはスティーヴン・コヴァセヴィチ(NMLCD)。
 
武満徹の「カシオペア」で、打楽器はツトム・ヤマシタ、指揮は小澤征爾、日本フィルハーモニー交響楽団NML)。武満はホントにすばらしい。自分には武満は、いまだ新しさを感じる極少数の音楽のひとつである。こういうものを聴くと曲についてもっと知りたくなるが、検索しても曲そのものについて踏み込んで書かれている文章は特になかった。しかし、この CD に関する感想はネット上にたくさんある。ツトム・ヤマシタはすごいけど、武満はちょっと物足りないねというのがクラシック・ファンのあるいは最大公約数的な感想であるかも知れないが、わたしには武満とツトム・ヤマシタというまったくちがう個性が一緒になっているところがおもしろい。たぶん、作曲に関しては武満がツトム・ヤマシタを念頭に置き、演奏に関してはツトム・ヤマシタが武満に触発されているのがこの演奏なのではないかと感じられる(勝手な推測ですが)。自分勝手なことをいうと、武満はいまでもよく理解されているとはいえないようで、非常に遠いところからやってくる武満の音楽の自由がなかなか聴き取られていないように(何様ですが)思う。

石井真木:遭遇II番 & 武満徹:カシオペア

石井真木:遭遇II番 & 武満徹:カシオペア

武満は聴きやすいから現代音楽としては幼稚だ、もの足りないという感想がよくあるが、結局その少なからずはどうだオレはむずかしい音楽がわかるんだぜごっこだと思う。まあ、そう自慢したい気持ちはわからないでもないけれど。もちろんそれだけだったら武満はつまらない。あの遠くから来るコスミックなかそけき「共振」が聴き取れるかどうかが武満理解の分かれ目なのではないか。■バルトークの「管弦楽のための協奏曲」で、指揮はヘルベルト・フォン・カラヤンフィルハーモニア管弦楽団NML)。おそらくカラヤン最初期のモノラル録音で、オケはフィルハーモニア管である。冒頭からすごい集中力で、鳥肌が立つとはまさにこういうもの。たぶん、自分の聴いた中でこの曲の代表的な演奏のひとつといってよいレヴェルだ。カラヤンはおかしなことはまったくやっておらず、透明さを感じるほど各パートがくっきりと聴こえている。指揮者は自然体なのだけれど、終楽章などは思わず感動させられました。若きカラヤンのすごさがはっきりとわかる演奏だと思う。

 

池内紀さんの新刊『ヒトラーの時代』についての先日リンクした togetter に、息子さんによる厳しくも情理兼ね備わった一連のツイートが追加されている。わたしは息子さんはあまり好きではないけれど(しかし腹の据わった一流の学者である)、これはちょっと感動的だった。池内紀さんは昨年の猛暑で体調を崩され、文字どおり「めっきりと老け込」まれたそうだが、本を書くことが生活の大部分である人なので書くのを止めることはないかも知れない(そして「書くな」ともいえない)とのことでした。立派な息子さんをもたれたことだな、池内さんは。

図書館から借りてきた、現代詩文庫『白石かずこ詩集』読了。

白石かずこ詩集 (現代詩文庫 28)

白石かずこ詩集 (現代詩文庫 28)