BOOK OFF 江南赤童子店へ

晴。早起き。
昨晩は鈴木大拙を読んで寝た。とてもよい。自分は未熟で、いろいろ参考・勉強になる。少しわかるところもある。なお、大拙はあんまり若い頃のは(人にもよるけれど)あまりお勧めしない。まだまだ真の大拙じゃない時期もあるので。

NML で音楽を聴く。■バッハのフランス風序曲 BWV831 で、ピアノはファブリツィオ・シオヴェッタ(NMLCD)。このピアニストはどうして現代においてこんなにきれいな心を保ち続けていられるのかな。感心する。■ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲第五番 op.92 で、演奏はフィッツウィリアム弦楽四重奏団NMLCD)。■望月京(1969-)の「パ・サージュ」で、ヴァイオリンは堀米ゆず子NMLCD)。■ジョン・ダウランド(1563-1626)の「前奏曲(マーガレット・ボード・リュート・ブック)」、「ファンシー」、「ストラング卿の歓迎」、「涙のパヴァーヌ」で、ギターはマイケル・バトン(NML)。

John Dowland

John Dowland

 
暑い。車外は32℃だった。
ATM と本屋へ行こうと外出。ATM のあと、ふと愛知県の BOOK OFF へ行こうと思う。江南赤童子店。車で30分もかからないくらいか。何故か500m以内に二軒あるファミマの一方で麦茶を買い、木曽川を渡って川島、江南へ。ひさしぶりなので BOOK OFF はまだあるだろうかと思ったが、ちゃんとあった。ある若い作家があれば買おうと思っていたのだが、はてしっかりと名前を覚えていないことに気がつく。アホやな。誰だったっけと字面だけで棚を見ていたが、いつもながら愛知県の BOOK OFF は岐阜県のそれとはだいぶ棚がちがう。有り体にいうと、岐阜県のは棚がしょぼくて、掘り出し物みたいなのが非常に少ない。やはりこれは本を読む人の密度の問題なのだろうと思うが、さて江南赤童子店はわたしの得意ワザ(?)の文庫本もなかなかだった。持っている本でも、へーこれがあるのかとか。開高健がたくさんあったのは頼もしい。買うかどうか迷ったのは中公文庫のアウグスティヌス『告白』三巻本で、岩波文庫版で読んだから断念する。結局まとめてそこそこ買ったのだが、最近は文庫新刊が高価になったので、思っていたよりずっと安く感じた。ちくま文庫田中小実昌さんのエッセイ集がいちばん高くて 710円、あとは 250円~450円くらいだった。文庫108円も結構いいのが拾えたのがうれしい。ひさしぶりに BOOK OFF っぽい感じで楽しかった。なお、最初のもくろみの「若い作家」の名前はついに思い出せず、でした。

今日買ってきた河合隼雄先生を読む。僕は学生の頃から河合先生の本はよく読んできたし、ずっと好きだったが、ひさしぶりに読んでみると非常にコワい。心にぐさぐさ突き刺さってきて、正直言ってかなり自信を失った。僕は塾講師を十五年ほどやって辞めたが、前からそう思ってはいたのだけれど、河合先生を読むと自分はあまりよい教師ではなかったのだろうなとつらつら思う。結構一生懸命やったときもあるし、一部の生徒には感謝されることもあったかも知れないが、結局自分は生徒に慕われるということがなかった。河合先生も仰っているが、子供には「わかってしまう」「ごまかしが効かない」のであり、それがすべてな気もする。そう思うと、自分が結婚できなかったのも、人格的な問題があったのかも知れない。いや、きっとそうだろう。
 まあわたしの過去のことなどどうでもいいので、本書(河合先生が亡くなられてから出版された)を読んでいると、河合先生がインターネットを知らずに亡くなられたというのがどうしても気になる。もし河合先生がいま生きておられたら、インターネットと日本人の心という問題にどういう洞察を与えられたか、考えてしまう。先生は人間の心というものはそんなには変わらない、変わるとしても非常にゆっくりとだと仰り、わたしもそれはそうだと思うのだが、それでも日本人の心はいま大きく変わりつつあるような気がしてならないのだ。つくづく、河合先生の意見を聞きたかったと痛感する。