こともなし

深夜起床。

松浦寿輝の『人外(にんがい)』という小説を読む。気持ちが悪いのは閉口だが(わたしはホラー映画を見る人の気が知れない)、安定した高級エンタメぶりはすばらしく、つい一気に半分くらい読んでしまった。いつもの松浦寿輝同様、一種の幻想小説といってよく、少しづつ背景世界の謎が開示されていくスリリングさで読まされてしまう。さて、半分も読めばかなりこの世界の成り立ちがわかってきて、このあとどうなるか興味津々だ。


NML で音楽を聴く。■モーツァルト弦楽四重奏曲第二十三番 K.590 で、演奏はクレンケ四重奏団(NMLCD)。この曲は本当におもしろい。終楽章など、もう注文をこなすことはあきらめて、書きたいように書くというふうに抑えが効かなくなっている。この曲で注文作品を書き止めてしまったのはまったくもっともである。ほとんどヤケクソで書いたのではないか知らん。■シューベルトの「憩いなき愛」 D138、「白鳥の歌」 D957 ~ 第一曲「愛の便り」、「夕映えのなかに」 D799、「白鳥の歌」 D957 ~ 第七曲「別れの歌」で、バリトンはディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ピアノはジェラルド・ムーアNMLCD)。■バッハのフランス組曲第一番 BWV812 で、ピアノはシェン・ユエン(NML)。これは…。マジで残りを聴くのが楽しみ。シェン・ユエン、何者。

Bach: French Suites

Bach: French Suites

ドビュッシーピアノ三重奏曲ト長調で、演奏はトリオ・ラヴェルNML)。ドビュッシーの「若書き」であるが、曲は魅力的で既に一級品だ。ただ「若書き」というのは、いまだドビュッシーらしさとでもいうべきものが希薄であるからにすぎない。最近では極ふつうに演奏されるので、聴いたことのない方にはお勧めしておく。
Trios Por Piano Violon

Trios Por Piano Violon

 
曇。
昼から県営プール。おっさんがちんたら泳いでいるだけであるが、それでも泳ぐと体のすみずみに油を差したかのようになる。普段ホント動いていないものな。また定期的に泳ぎたい。